上巻のレビューに記したことは繰り返すまい。この漫画が、再び大判で読めるというのはなんという幸せだろう。小型版では伝わりきらないものがきっとある。漫画にはある程度の版型は必要なのだ。しかし、出来ればオリジナルの総集編にあった呉智英の不朽の名解説も復活させて欲しかった。僕は漫画の解説で、これほど熱い文章を他に知らない。2000字を超える解説は、こう語った。
「連載終了が近づくにつれ、『自虐の詩』の緊張度は最大限に高まった。毎号毎号、この作品だけのために「週刊宝石」を読んだ。私だけではない。ほとんど毎号のように『自虐の詩』を読んで号泣した。これも私だけではない。電車の中で嗚咽が止まらなかったという男がいた。4コママンガを読んで泣いているのと、同僚から不審がられたOLがいた。・・・・・・驚くことに、この『自虐の詩』は、連載中も、また単行本化された時も、あらゆるマンガ賞が候補作にさえ挙げなかった。世界一のマンガ大国が、足元の大傑作に一顧だに与えない。これが現実である。しかし、今、『自虐の詩』は総集編としてここにある。読者よ、この不幸中の幸いを喜ぼう。そして、感動にうちふるえよ。」
この解説に賛同の大拍手を贈りたいと、読み終わった時、僕は心からそう思った。これはそういうマンガでした。