他の評者が書いたように、ここに資本主義社会の代替案がある。というより、恐ろしいことにここにしか代替案はない。
ゲゼルが提案した減価マネーは大恐慌以後実際にスイスで試行され成功したそうだが、本書で提示される減価額より減価率は2倍だったようだ。
(減価率は、ケインズの説では「貨幣ー利子率(印紙料金は除く)と、完全雇用と両立する新規投資率に対応する資本の限界効率との差になるように定めるべき」だそうである。
雇用、利子および貨幣の一般理論〈下〉 (岩波文庫)150頁)。
今やそうした実行例と具体的な数字をアナキスト側が提示する時期なのだろう。
例えば減価マネーをいかにウェブ上にデザインするか等々。。。
本書では国際的な連合通貨を(減価マネーとは別に)ゲゼルが提示していることも見逃せない。これは今日の複数国家間のバスケット式信用取引を先取りしている(これは国内通貨を別に維持するわけだからユーロよりもむしろ現在のアジア型だ)。
追記:
ゲゼルの提案では減価した通貨分を事務局が再発行するが、それがそのまま事務手数料になる。
つまり(解釈が強引かも知れないが)減価マネーを使えば税金のない社会が実現出来るのだ。