この本では、まずリバタリアニズムの中にもいろいろな種類があり、それぞれがどこまで自由を主張し(無政府か、ある程度の小さい国家は必要とするか、など)どういう論拠で自由を裏付けているか(自然権、功利主義など)を簡単に解説する。
その中で、筆者自身の立ち位置も述べられる。
次に、簡単にリバタリアン的な権利とはどういうものかを解説する。
具体的には、臓器売買や売春、自己奴隷化などが挙げられている。
そして、具体的な問題、裁判や経済、家族制度などをとりあげて、それらがどのようにあるべきかを考えている。
難を言えば、完全に理想論から入ってしまっているので、筆者の論を実現させることが現実には出来ないだろう、という点である。
つまり、現実には日本以外にもたくさんの国家が存在しており、それらがひしめき合う中に日本はいるわけである。日本のみがリバタリアン的な国家を掲げることは不可能である。そうした状況下での、世界的に具体的にリバタリアン的な国家を構築していくすべについて、何か書いてくれているとなおよかった。
リバタリアニズムの思考と提案がコンパクトにまとまっていてとてもわかりやすい。
「自由」を考える上では欠かせない本である。