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本書の特徴は、原因探しにやっきになるのではなく、現状把握と対応策の提案にウェイトを置いていることである。このような実践志向は、フリーター問題をこのまま放置すれば、フリーター本人だけでなく、社会全体もが大きな「代償」を払わねばならなくなるという危機意識から生まれたものである。
編者である小杉、都内の若年者に対する調査から、学校卒業→非正社員→正社員というキャリアを歩む者が増大していることに注目する。そして、彼ら彼女らが、職業能力の形成、適職の探索、正社員として就職した後の労働条件において不利な立場にあることや、そもそも正社員に移行しない(できない)者が存在することに警鐘を鳴らし、産業界全体としての人材育成のあり方に再考を迫るとともに、教育現場に対しては在学中のキャリア探索の必要性を訴える。
他方、労働経済学の大家である高梨は、新規追加労働需給の推計式をもとに、「長期雇用システムの下に中高年層が解雇されず、この既得権が守られているために若年層への雇用機会が狭められている」という昨今のフリーター問題の論調を批判し、高卒就職者と主婦パートが競合していることや、技能職や技術職においては依然として需要が堅調であることを指摘した上で、若者の職業意識の啓発や、理工系学生の育成を提唱する。
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