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自由と社会的抑圧 (岩波文庫)
 
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自由と社会的抑圧 (岩波文庫) [文庫]

シモーヌ・ヴェイユ , 冨原 眞弓
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

近代社会の構造的な不正と抑圧の原因とはなにか、そして人間が自由であるための条件とは。本書は、行動と思索の人シモーヌ・ヴェイユ(1909‐43)初期の代表作である。全体主義・マルクス主義をともに批判の俎上にあげつつ自由な社会を希求する誠実で真摯なその考察は、いまなお色褪せることない現代社会の指針となろう。

登録情報

  • 文庫: 183ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2005/3/16)
  • ISBN-10: 4003369017
  • ISBN-13: 978-4003369012
  • 発売日: 2005/3/16
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.4 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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29 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
ヴェイユといえば神に関する思索というイメージが強く、またこの書物の題名にある「自由と社会的抑圧」は現在の問題群からすると少し時代の隔たりを感じてしまうのであるが、この書物をひとたび開いた途端、その魅力ゆえに一気に読み進めてしまった。マルクスを叩き台として展開される労働と生産に対する思索は全く時代遅れということはなく、むしろ我々はまだ彼女が考えた問題群の中に存在する。今ではあまりにも事情が錯綜し、非常にわかりにくくなったため、労働や生産に関してすっきりとした説明に触れることは少ないが、この書物はまだそれらを根元から考えられるぎりぎりの時代において、しかしながらその時代から独立して紡がれた思索があり、ここに描かれた状況は100年近くたった今の我々においても自らの現実として読むことができる。すぐれた思想書とはこういったものではないだろうか。ヴェイユがこの書物を書いたときは、時代状況としてはきわめて閉塞しており、その閉塞が基になって紡がれた思索には違いないが、しかしヴェイユの眼はその時代よりはるか彼方まで見通しており、それゆえに我々にも切実に語りかけてくるのである。ヴェイユの思索は昔から少しひかれるものを感じていたが、この書物をきっかけに一つ「労働」をkeyとしてヴェイユをたどってみたくなった。
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形式:文庫
ヴェーユは、著作のなかで協業による「命令を下す者」と「命令にしたがう者」の分化が社会的抑圧の根底にあると指摘する。そして、協業について詳細な分析がなされていないマルクス主義では、本当の意味で人間は自由を享受できないと断じている。本書が書かれてからすでに約70年経つが、私たちは労働の現場でヴェーユの指摘する自由(自ら考えて実行する自由)を享受できているか考えさせられる。
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25 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 激動のファシズムの時代を生きた、フランスのユダヤ人思想家シモーヌ・ヴェーユの生涯の思索と行動は、カントの道徳哲学の次の命題「他人を手段としてだけでなく、同時に目的としても扱え」に表された、他者をいかに「自由」(倫理)の主体として扱えるかというテーマによって貫かれている。それはつまり、全く考えを異にする次元の異なった二つのものがいかにして出会い、結びつきうるかを問題にしている。その過程で例えば、「対話」、「契約」、「交換」などに他者を自由と見做す契機を見いだそうとした。

 そして、こうした考えの基に立った、労働を媒介にした個人の自由に立脚した社会主義運動の構想は、当時の右派・左派のどちらの運動の形態とも異質であった。かの地で彼女の思想がほとんど理解されなかったことは、社会主義の前提である自由主義がいかに西洋でも軽視されていたかが窺える。個人の自由を欠いた運動は、必ずや「村」的な構造(権力のピラミッド構造)に帰着する。それは結局社会から弧絶し、互いに慰め合いの共同体になる。それはだからと言って、極めて暴力的組織になる可能性を排除しない。

 しかしヴェイユは同時に、仲間集団を作ることの人間の弱さ・醜さを愛を持って理解していた。彼女が晩年故郷喪失者として「根」を持つことを語ったことは、「根」への希求と不可能性を同時に味わった者の言葉として読まれるべきではないだろうか。
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