1985年、この書は刊行された。当時の精神医療改革派は絶賛しました。 イタリアの精神医療改革の歴史と実態です。半田文穂氏の名訳です。
『自由こそ治療だ』
この言葉を信じて 戦ってきた者たちは、イタリアの精神医療改革を具体的なモデルにしました。
1960年代後半、精神医療界はもめにもめました。収容主義の体制に批判をあびせ 変革を求めた金沢の『日本精神神経学会』総会で素敵な結論がでました。
『当時の日本の精神医療のあり方を すべて問う。』徹底的批判でした。若き医師達は 学会の主導権を獲得した。共鳴した精神科医たちは おのれの現場を改革せんと模索を開始しました。 それまで 『収容があたりまえ』であった状況を変えようとしました。
残念ながら、その実践は現在 行き詰まっています。
佐賀のバスジャック事件、神戸の少年の理解しがたい事件、さらに追い打ちは大阪教育大学池田小学校の自称「精神障害者」を名乗る男の少年たちの殺戮事件。これで 状況は決定的に反転しました。時の首相は速やかにことを進めるように指示しました。
『キチガイは怖い』→『殺人予備軍』→『精神障害者をきっちり管理しないといけない』。
現在の日本国は、「精神障害者は犯罪予備軍である」という捉え方の下、奇怪なる法と施設を一挙につくり動き始めています。
●しかし、『自由こそ治療だ』と信じて、実践をしてきた医療従事者は今も健在です。
現在の精神医療体制は、「精神衛生法時代」を緻密にし、「保安処分を」を具体化させたと言うべきです。これに批判的な動きをする者たちへの 国家の締め付けは厳しくなる一方です。自称「精神医療改革派」が進めてきた施設も、脱落していきました。これが現在の日本国の精神医療界の実体。
さて、この本を皆さん 手に入れてください。お読み下さい。イタリアではこの冒険は定着させています。日本国とは大違い。皆さん 一緒に 考えてください。