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自由からの逃走 新版
 
 

自由からの逃走 新版 [単行本]

エーリッヒ・フロム , 日高 六郎
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (24件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

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『自由からの逃走』はドイツ生まれの社会心理学者エーリッヒ・フロムによって1941年に発表された。フロムはヒトラーの全体主義に世界が震撼するその最中に、この作品を世に送り出した。このことは本書が単なる研究者向けの論文ではなく、ナチに追われてアメリカに帰化した著者自身の「時代の狂気に対する叫び」でもあったことを物語っている。

本書はナチズムに傾いていくドイツ国民とそれを先導した独裁者の心理状態を詳細に説明し、人々に「なぜ」を明らかにしている点で非常に興味深い。あの狂気を生んだ悲劇の根源は、「自由」という人類に与えられた恩恵であった。その分析に触れるとき、読者は、本書が今もなお警鐘を鳴らし続けていることに気づくだろう。

自由であることの痛烈な孤独と責任の重さを受け止め、真に人間性の実現といえる自由を希求することなくしては、人類にとって望ましい社会は生まれない。フロムは問う。幸福を追求するために選んだ自由が果たして「本当の自由」といえるだろうか。「選ばされた自由」にごまかされてはいないか。気づかぬうちに他者に対する加害者となっている自分を許してはいないか。

フロムは、個人が生きるその社会の姿を理解することなしに、自由に生きることなどありえないと語る。本書は、国家のあり方という問題に対してだけではなく、現代に生きる個人がその人生を充足させるためにはどう生きるべきかという問題に対する重要なヒントとなっている。(齋藤佐奈美)

出版社/著者からの内容紹介

現代の「自由」の問題は、機械主義社会や全体主義の圧力によって、個人の自由がおびやかされるというばかりでなく、人々がそこから逃れたくなる呪縛となりうる点にあるという斬新な観点で自由を解明した、必読の名著。


登録情報

  • 単行本: 337ページ
  • 出版社: 東京創元社; 新版 (1965/12)
  • ISBN-10: 4488006515
  • ISBN-13: 978-4488006518
  • 発売日: 1965/12
  • 商品の寸法: 18.6 x 12.8 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (24件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 4,691位 (本のベストセラーを見る)
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最も参考になったカスタマーレビュー
63 人中、57人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
決して色あせることのない本。

「自由からの逃走」とは、
人間は自由であればあるほど、その自由の重荷に耐えることができない、ということ。

だれかに依っていたいし、それによって自分を支えていたい。
誰かに縛られていたいし、それによって自分の存在を確認していたい。
それは誰にとっても共通の問題だし、そのコンプレックスは、「個別」がはっきり見える現代こそ容易ではない。

「確実性への強烈な追求は、純粋な信仰の表現ではなく、たえられない懐疑を克服しようとする要求に根ざしている」(P86)
行間を読むこと。解決ではなく、自分の中で「悪」や「解決できないもの」を見つめ、共に共存できること。

フロムの人間に求めるまなざしが、雪のようにしんしんと伝わってくる名著だと思う。
権力、そして性欲にもフロムがしっかりと対面し、抱え抜いている。
そのフロムの強さに救われる人も多いのではないでしょうか
このレビューは参考になりましたか?
71 人中、60人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
「人は自由からも逃げ出す…」

このフレーズの衝撃は、今も私に強烈なインパクトを残している。

例えば現在の日本のテレビで、なぜ細木数子の番組があれほどまでに多いのか?、なぜ亀田3兄弟に人気が集まるのか?、なぜディープインパクトの走りに魅せられるのか?これらを考える際にヒントをくれそうな先人からのメッセージを垣間見させてくれる本である。

フロムが考察の題材にしている16世紀ヨーロッパでは、ルターを先導にした宗教改革が強烈な勢いで進めらた。そうして人々の教会離れが加速していく一方で奇妙な動きが見られたことにフロムは着目する。

カルヴァン主義、それは非常に厳密で今までのカトリック以上に厳しい宗教戒律を掲げたジャン・カルバンを首謀者とするキリスト教である。

しかし、その厳しい宗教に人々が魅せられていく一連の歴史にフロムは心理学者的な視点から考察を加えていき、結論してフロムは、人は自由でありすぎると不安になり、何かわかりやすいものに頼りたくなってしまうという心理が働くことを明らかにする。 そして、大恐慌後の不安の中から生まれたヒットラーを代表とするファシズムおよび全体主義の構造を見事に説明した圧巻の一冊。

翻って現在のことを考えてみれば上記であげたような現象は、単に「よく当たる」とか「強い」だけの言葉では語りきることができず、もう一つ「わかりやすい」というキーワードが浮かんでくる。つまりあまりに多様化しすぎた社会の中でなかなか自分の価値観を見出せない人々が「分かりやすさ」を望んでいる一つの兆候ともいえる考察がここから成り立つのであり、これに対してどう自分が対処すべきかを考えるツールになる一冊としておススメである。

それと時間が有る人に是非これと併用して読んでいただきたいのが、マックス・ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(岩波文庫)で、この本は宗教改革から始まった資本主義の成立させる人々の思想体系を考察したもの。 この二つをあわせ読むをお勧めしたいのは、一つ歴史的な事件(宗教改革)というものが、いくつもの切り口をもって語りだせる多面的なものであることを気づかせてくれる、いい資料だと思うからで、一つの事件に一つの感想があてはめられがちな歴史を見直すのにはいい機会を与えてくれるのではないかなぁ…。
このレビューは参考になりましたか?
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Utah
 ヒットラー全盛の1941年に、「なぜファシズムに人は走るのだろう」という疑問を心理学の立場から解明した名著です。人間の成長が抑圧された際、人はサディズム≒権威主義や破壊活動に無意識に陥ります。少数の資本集中者により、経済活動から疎外され、成長が抑圧された下層中産階級(小商人、職人)の若者が、その代表であるヒットラーを熱狂的に支持しました。これは、大商人により同様の社会状態があった16世紀のドイツ宗教改革の際のルターやカルヴィンへの熱狂と同じであることが前半に述べられています。社会的条件により社会的性格が作られること、それに催眠術のように人は取り込まれてしまうことなど、見事な解説が続きます。心理学関係者のみならず、幸せを掴みたい方、皆様にお奨めの本です。

小生の印象に残った点は以下です。
・「個人は無意味だ」というのが、ルター/カルヴィンの教え。「強い絶対的なもの:神/皇帝/金に無条件に従え」という権威主義は、倹約/再投資の資本主義の基盤となった。大規模貿易商人/銀行家等が芸術を謳歌させたルネッサンスで、生活の基盤を脅かされた下層中産階級がこれを熱狂的に支持した。
・教会等からの自由は得たが、経済情勢等で自分の成長への自由が抑圧されると、他人への依存が始まる。具体的にはサディズム(虐める相手への依存)/マゾヒズム(虐められる相手への依存)、あるいは抑圧者への攻撃性となる。これらは、他人に頼る、権威主義としてまとめられる。
・第一次世界大戦後、皇帝の権威は失われ、大インフレーションにより、下層中産階級(小商人・職人)は拠り所と貯金を失った。生活の基盤を脅かされた彼らの子息は次の依存者としてヒットラーを翼賛した。ヒットラーは強い物には服従し、弱い物は軽蔑する典型的な権威主義者だった(例:英国が強く出れば絶賛し、宥和に出れば軽蔑した)。 「我が闘争」にも率直にその旨が書いてある。ヒットラーは大資本には服従し、下層中産階級からは民族国家への無条件服従を求めた。大資本はこれを歓迎し、下層中産階級は強いヒットラーに依存した。
・人は、催眠術で暗示されると、「自分の考え」として他人の考えを話してしまう。世論調査などでも同様にメディアで流される世間/クウキに同調した「考え」を無意識に話す。人は、容易に自動機械となる。
・これら、権威主義と自動機械の心理学によって、ファシズムは説明される。
・小さな子供は、自発性を持っている。芸術家(含:哲学者/科学者)も同様。その魅力が、既に自発性を失った「大人」達をも惹き付ける
・教育によって人は育つというが、実は教育システム自体が社会的性格の支配下にある。教育ではなく、社会的性格が人を従わせる。
・自分自身で無いことほど恥ずべきことはなく、自分自身でものを考え、感じ、話すことほど、誇りと幸福を与えるものはない。自発性が、人間を新しく外界に結びつける。
・資本主義は、倹約/再投資を説くが、その目標を達成しても一瞬にして幸せは逃げていく。仕事は、自己無意味/孤独の強迫感の下に行うものではなく、創造を楽しむもの。
・愛とは相手を支配したり服従することではなく、相手の自我の確保の上に立って、個人を他者と結びつけるもの。
・結果ではなく、自発的に生きる過程が大切。人生の目的は「生きる行為」そのもの。
・各人が幸せになるには、各人の有機的な成長を自発的に追い求めること。そうすれば、自由の孤独に陥らず、個人としての強さを獲得し安定を得る。
・デモクラシの基盤は、個人の自由、創意、自発性にある。

 「他人を虐めること/虐められることで自分を忘れる"権威主義"(サディズム/マゾヒズム)でファシズムに陥るのではなく、自分達の成長を楽しむことに気が付こう!」という著者の強いメッセージは、今でも(今まさに)有効だと思います。クウキ/世間による個人の抑圧は日本だけでなく、人間の成長を怖がるFixed Mindsetの古代/動物的な社会に普遍的な現象であることがわかりました。自分がやりたいこと/夢を自発的に追って目が輝いているのか、それともお客様や世間に合わせて目が死んでいるのかが、状態を見極める判断基準です。
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概略
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投稿日: 5か月前 投稿者: ガンバ
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