著者の主張は明解で「自爆テロリスト=普通の市民」と結論付けています。
ただし、それを裏付ける証拠は、アルカイダやその母体となった過激派
グループに所属した十数人の自爆テロリストの所縁の場所を訪れて、彼らが
そのような一般市民であったからだと主張しています。
連日の自爆テロが発生するイラクでは既に何十人(数百人?)という単位で
事件が起こっているのに、本当に少数の出身を見るだけで結論付けて
いいものかは考えどころだと思います。
終章では、テロリストの正体の解明から、突然アルカイダの脅威の話に
展開し、結果としては誰も恐れず普通に暮らしていれば、アルカイダは
いなくなる、という論調で妙な楽観論で終わってしまいます。
確かにどんなに長く続く戦争でも、何百年と続くわけではないですが、
それにしても「待てばテロは去って行く」的な主張は、現地の人に伝われば
反感を買うことは間違いないでしょう。
本書自体が何ともまとまりがないのですが、それなりに意識して読めば、
テロの背景などについては、ためになることもあるのではないかと思います。