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自然現象と心の構造―非因果的連関の原理
 
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自然現象と心の構造―非因果的連関の原理 [単行本]

カール・グスタフ・ユング , W.パウリ , 河合 隼雄
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

精神界と物質界を探求した著者たちによるこの世界と科学の認識を論じた異色作

登録情報

  • 単行本: 270ページ
  • 出版社: 海鳴社 (1976/01)
  • ISBN-10: 4875250614
  • ISBN-13: 978-4875250616
  • 発売日: 1976/01
  • 商品の寸法: 19 x 13.6 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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パウリと言えば、現代物理学の中で異常に大きな業績を残した鬼才であり、量子力学の形成、場の量子論の創造に基本的な役割を果たした。パウリの排他律、β崩壊の理論におけるニュートリノの導入、基本的なものを数え上げても切が無い位だ。その確かな洞察力は、多くの物理屋に信頼をかち得ていた、と、云うより恐れられていた、と云うのが正しいであろう。パウリは、余りにも鋭過ぎるのである。わずか21歳で書き上げた「相対性理論」は、今も名著として通用している。翻訳と解説を書いた内山龍雄先生は、若いパウリの天才に舌を巻いている。この歳でパウリは、それこそ物理学の文献の大半を読みこなしていたらしい。然し、この付は、後年パウリを襲った、彼は、その研究を進行する為、夜の大半を異常な集中力を持って研究した為、不眠症になり、その解消を睡眠薬と言う手段で解決したらしい、数学者F・クラインと、同じ方法を採ったのだ、その副作用は、後年の心的平衡の乱れを生んだのであろう。ETHの教授をしていたパウリは、C・ユングに治療を受けていたと言う。もし、この様な長年の薬の使用が無ければ、パウリはもっと長生きしたかも知れない。数学と物理的洞察の天才であるパウリが、この様にヨハネス・ケプラーを取り上げ、その創造性の深遠を、探求するとは信じられぬ思いが強い。何故ならパウリは、数学的合理性の鬼才の様に思えたからだ、確かに、ヨハネス・ケプラーは、「天体力学」の先駆けであり、総じて、近代科学の源流の一人である。彼は、神聖ローマ帝国の宮廷数学顧問官で在ると同時に、占星術師であり、占星術的世界観を、心底信じていた人である。そういう反面、ケプラーは、惑星系の調和を、正多面体の内接による天体構造として模索し、J・ベルヌよりも三百年早く、月への旅行を夢想していた人でもある。

この本と、直接関係はないが、1970年河出書房が出した、アーサー・ケストラーの著書、「夢遊病者達]の中のケプラー伝は、ドイツ三十年戦争の最中に、新世界を開拓したヨハネス・ケプラーの苦闘の人生を、感動的に描いている。神聖ローマ皇帝の、占星術と数学の顧問官であったケプラーは、当然、規定の給料を貰う権利が有ったにも拘らず、皇帝はケプラーに給料を支払わない為、彼は、いつも、食うや食わずで、家族一同、貧乏の真っ只中に居た。彼の生きた時代は、ドイツ三十年戦争という、殆んど狂気じみた戦乱の悲惨な時代であった。それは、中世のヨーロッパ世界戦争であり、食う為の職を求めて、彼は、ドイツの各地を放浪して歩いたのである。そんな中で、自分の死が間近い事を悟る事になる。ケプラーは友への、最後の手紙の中で、「世界が殺戮と破壊の中に在るこの時、もう直ぐ自分の命は尽きてしまうが、天体と惑星の研究を通して、遠い未来の人類の中に、希望の碇を下ろす、この仕事ほど尊い生き方は無いと思っています…」と、書き送っている。彼は、それから幾らもしないで、孤独の内に餓死してしまった。ドイツ三十年戦争の爪あとは、大きく、ドイツの人口は30%減少したと言う。取分け、文化の根幹を支える、創造的な知的エリート層を、一網打尽に葬って仕舞う為に、ドイツは、文化的な長い停滞に入るのである。カトリックの神聖ローマ帝国皇帝と、プロテスタントのドイツ諸侯の約束である、「ウェストファリア条約」は、ドイツを、数十の小国の連合体とする事に成り、ドイツの弱体化を目論んだ、ブルボン王朝の宰相、枢機卿リシュリューの、目的は達成された。そして、ドイツは、ビスマルクの軍事力に拠る真の統一まで、その民族のポテンシャルと、科学文化の底力は、削がれるのである。この本を読んだのは、今から、三十五年も前の事だが、投稿者のケプラー認識を、今以て規定している。

ケプラーの、時代を超えた偉大な才能は疑うべくも無いが、「共時性」と謂う概念を基に、このパウリが、ユングと共に、人間の認識と創造性に関する深遠を、共同研究するとは思わなかった。「因果律と存在論」の統合としての認識論は、我々の時系列とは異なる時系列が、この宇宙には在るのか!と、いう問いを惹起する。この、合理的知性を越えた、ところの世界にパウリが心底興味を抱いたとするならば、それは、極めて面白い事だ。事に拠ったら何か在る?と、パウリは、感じたのであろう。彼の、洞察がどこに有ったか?は、この書を読み、それ以上に、問題を自らのモノとして問う事だろう。人間の「無意識の深遠」、そして「理解の起源」を解釈したい。そして、真に理解したと言い得るのは、理解しようとする対象と同値のモデルを、自分自身の洞察で創り上げた時だろう。心という現象の、意味、思念・意識の効果は、今以って、真に分析はされていない。その本質を、我々が未だに理解して居ない事は確かであろう。そういう意味で、この本は、物理学の真の奥底に横たわる「形而上学と認識」・「表層知の限界」の問題に、触れて見る機会と、反省をもたらすかも知れない。
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9 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 白頭
随分以前に読んだが、最近ケストラーのケプラー伝を読んだので再読。
ユングとパウリの論文が収められているが、ユングのものは正直どう
でもいい。素直に読めば本質はオカルトそのものです(検証しえない
事物の背後にある「隠されたもの」を問うという、言葉の本来の意味
でもそうです)。フロイトと襟を分かつ主因となったといわれる方向
性が遺憾なく発揮されています。

パウリの論考にはユングとは少しことなる色合いを感じます。
「科学的理念の展開に対して知識の前科学段階が持つ意義」と述べて
います。パウリ自身、合理性が悉く常識的枠組みを打ち壊していく量
子論の画期を切り開くなかで、多分内なる何かを感じたのではないで
しょうか・・・。ケストラーはケプラーのそうした要因を「固定観念」
と控えめに表現していますが、パウリははっきりと「元型」といいき
っています。パウリ自身が「こう考えざるをえない」と感じたその時
に、そうした自分をギリギリのところで誘導する何かを考えざるをえ
なかったのか?ユングのどちらかというと形而上学的(そう呼ばざる
をえないでしょう)な非因果律原理、元型論に対して、パウリのそれ
が、もっと実感のこもった経験者の趣を感じさせるのは気のせいでし
ょうか・・・ケプラーへのシンパシーみたいなもの。

観察者と観察される系の間の「裂け目」という言い方もしています。
直接は所謂、不確定性のことを指しているのでしょうが、「裂け目」
という比喩に託したのは、たぶんウィトゲンシュタインの「世界の限
界」と同じ認識だと思います。科学的合理性の臨界点、とでもいいま
しょうか。。。
パウリは自分が歩いてきた道をふとふり返って、なにかそこにその軌
跡を創造せしめた理を感じ、同じようにその何かに翻弄された同類
としてのケプラーに強く惹かれたのではないでせうか。そんな気がし
ます。
このレビューは参考になりましたか?
15 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By amazon
 ユングと高名な物理学者のパウリは意味のある偶然の一致(シンクロニティ)について、非因果的な法則があるのではないかと共同で研究する。
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