昨日まで何の疑問を持たずに食してきた食物、特に野菜の生産現場では、こんな事になっていたのか! と目からウロコが落ちた気がした。この本の「自然の野菜は腐らない」という表題が気になって読み始めたのだが一気に読み切ってしまった。
有機農業はそれとなく知っていたのだが、無農薬(これは感覚的に理解できる)、無肥料(まさか、肥料なしで野菜が収穫できうるのか?)と言われてそのまま信じられるものではない。しかし、読み進めるうちに、これはもしかして本物? という根拠のない確信みたいなものが湧いてきて早速、本書に紹介されている自然栽培野菜を購入した。ホウレンソウとニンジン、そしてトマト。
価格は決して安くはない。スーパーの約2倍はしている。しかし安心感と食材本来の味、香りが満足感を高めてくれる。久しぶりに昔の野菜の香りを嗅いだ気がした。
この本に注文があるとすれば、唯一、本書の冒頭に戦後50年間で野菜の栄養価が激減しているとのデータが示されているのだが、では、有機栽培や自然栽培に努力された結果、その栄養価がどのくらい復元されたのか、データが示されていないことに不満がある。
決してお安くない食材を厳しい経済状況の下、購入するのだから、定性的、感覚的なこともさることながら、より定量的な証明が消費者の理解と購入動機を増大できるはずと私は思う。