自治体の憲法と言われる自治基本条例。各地でその制定が進んでいますが、行政を縛り、議会をコントロールし、市民に開かれた自治体にするという本旨で制定されたものは多くありません。本書は、東京都三鷹市での自治基本条例制定の過程を振り返り、市民による自治基本条例制定運動のあり方を考えたものです。
もともと市民参加が盛んだった三鷹市では、市民参加によって自治基本条例案を作成していました。その後も案作成に関わった市民が中心になって自治基本条例の研究会が発足して活発な活動を続けていくのですが、市の態度の変更や議会の圧力などによって、最終的に成立した自治基本条例は市民案からは遠ざかった内容のものになってしまいます。
攻防の舞台となったのは、市民主権の明記と自治基本条例の最高規範性、制定・改正の住民投票、議会の情報公開と職員による公益通報(内部告発)、などです。自治基本条例や開かれた市役所作りにとって根幹となるところで議論が闘わされたことがわかります。
本書は実際の自治基本条例制定までのプロセスを時系列で扱っており、これから自治基本条例制定を考える者にとってはとても参考になると思います。失敗例から学び、よりよい自治基本条例を制定にまで持ち込むには、本書は大いに参考になるでしょう。