大鰐、飯綱、赤平・・・、自治体関係者には周知の名前が並ぶ。
いずれも財政が厳しいことで有名な自治体である。
本書は、そういう自治体の「今」を克明にレポートしたものだ。
自治体関係者には、ぜひ一読をお勧めしたい。
背筋が寒くなり、絶好の消夏法となることは保証する。
筆者が主張するとおり「リゾート法」は全き失敗に帰した政策であり、全国各地で惨憺たる結果をもたらした。リゾート法はじめバブルに踊った自治体の「一時の栄華」と「その後の塗炭の苦しみ」が報告される。
本書に紹介されている自治体の苦闘は、現在は健全経営をしている自治体にとっても、決して他人事ではない。彼らは「よそより早く」財政窮乏に叩き込まれた「先行事例」に過ぎないからだ。日本の総人口は既に減少に転じ、税収の根源である稼働人口は、さらに早いペースで減少していく。税収の「右下がり」は「既に決定された未来」である。役所のリストラが不可避であるだけでなく、市民サービスについても戦略的な「スマート・シュリンク(賢明な縮小)」が求められる。
本書は、自治体が「税収縮減時代」に対応するにあたって、「やってはいけないこと」「取るべきでない戦略」を迫力満点に描いている。極めて参考になる、優れた「過去の検証」である。そして過去の検証は、すなわち「未来からの警鐘」である。自治体関係者のみならず地域経営に関心のある人に、広く読まれるべき本と感じた。