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自民党長期政権の政治経済学―利益誘導政治の自己矛盾
 
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自民党長期政権の政治経済学―利益誘導政治の自己矛盾 [単行本]

斉藤 淳
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

長期に渡って政権にありつづけた自民党は、いかにして支配政党としての地位を維持したのか。またそのことは日本の公共政策にどのような結果をもたらしたのか。じつは、利益誘導の政策そのもののなかに、その支配政党としての地位を危くする矛盾があったことをあきらかにする。代議士の経験もコラム化。現代日本政治論の最新の研究書。

内容(「BOOK」データベースより)

逆説明責任体制としての自民党。衆議院議員経験も持つ、気鋭の研究者による日本政治論。

登録情報

  • 単行本: 247ページ
  • 出版社: 勁草書房 (2010/8/12)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4326301902
  • ISBN-13: 978-4326301904
  • 発売日: 2010/8/12
  • 商品の寸法: 21.3 x 14.5 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 71,973位 (本のベストセラーを見る)
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著者とは昨年末にアメリカでお会いして話をさせてもらった。
政治家の経験もある政治学者、それもアメリカで研究をされているということで話が盛りあがった。その時に話に出ていたのがこの本である。
本書で特に印象が深いのが二点(これらは会話の中でも話を聞かせてもらった)、
1. 「逆説明責任体制」という概念。民主主義では有権者に政治家が政策や実績などを説明するのが通常であるが、自民党政権においては地方自治体や利益団体が選挙支援により自民党への忠誠心を説明したという「逆の」概念が働いていたとするもの。
2.また、新幹線や高速道路といった大規模公共工事は自民党の勢力維持拡大のために使われたとされる。しかしながら、データを分析すると、新幹線などは完成してしまったら選挙には役立たずに「むしろマイナス」に働いた。この分析は非常に示唆に富む。つまり、社会インフラ整備は完成させずに先延ばしにした方が選挙支援を得ることができることになるのだ。
データ分析に基づき説かれる概念はすばらしいし、なによりも著者の経験などから書かれているコラムが面白い。
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10 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
感想を一言で言うなら、よく調べて書いてあるということでしょう。
ゲーム理論や統計分析に基づく議論もさることながら、事例研究のさらっとしたトリビア的な記述が面白いと思います。
新潟の田中角栄vs稲葉修の対立(第6章)や、弘前vs八戸の新幹線誘致合戦をめぐるエピソード(第7章)は、鉄道マニアにも面白く読めるでしょう。

一方で本書の議論は、政策的示唆にも富む内容です。
日本の経済政策、特に利益誘導がらみの論争を考える上で、発想の転換を迫られます。
政権交代後、十把一絡げに公共事業は悪だという議論がまかり通っています。
実際には公共事業が持つ選挙対策としての効果と、経済的効果をきちんとした形で区別しながら議論する必要性があります。
本書は、何よりもこの点を明快に示していると言えます。
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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 藤崎健一 トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
 自民党が何故長期に渡り与党だったのか?それを分析した本は、それこそ何百、何千とありました。

・自民党は利権を使って地方にカネをばらまき、インフラを整備。
・地方はインフラを整備してもらう為、与党だった自民党に投票。

 上記2点について、程度の差こそあれ、同様の認識を持つ方は多いと考えます。

 しかし、実情は…

・自民党が勝てたのは「敢えて」インフラを整備しなかったから。
 (田舎程、インフラを整備してもらう為、与党に投票する。故に田舎で自民党は強かった)
・インフラを整備してしまうと、与党に投票するインセンティブが無くなるので、野党が勝ちやすくなる。
 (これを高速や新幹線が整備された新潟と、高速すら予定の半分も出来ていない島根を例に証明。
 前者は故田中角栄氏、後者は故竹下登氏の地盤であった。)
・故に票を確保するためには、ばらまく対象を管理できる補助金の方が、インフラ整備より使える。
 (インフラは、整備してしまうと与党支持層・反支持層どちらにも便益が生じるので、与党を
 応援し続ける必要が無い)

 …等などを、ゲーム理論等、経済学の知見を活かして解き明かしていきます。
正直、ここそこで出てくる数式の意味は全然分かりません。故にデータの分析方法自体が正しいのか
どうか(恣意的なものが紛れていないのか?と言う点も含む)は分かりません。

 ただ、そこで出てきた結論には幾度となく衝撃を受けました。

 自民党は庶民に施しをする心優しき人の集団では無く、どれだけ票を持ってこれるか?を
有権者で相互監視させる仕組み(中選挙区制のこと)を作り上げることで、繁栄を築き上げた。
その仕組みが無くなった(小選挙区制への移行)から、与党の座を明け渡した…という事実。
データは冷静に、そして冷徹に、「自民党なるもの」の一部を白日のもとに晒しました。

 最後に。論とは別に、著者の経験が率直に記されたコラムも読み応えあり。選挙の現場がリアルに
伝わってきます。
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