著者とは昨年末にアメリカでお会いして話をさせてもらった。
政治家の経験もある政治学者、それもアメリカで研究をされているということで話が盛りあがった。その時に話に出ていたのがこの本である。
本書で特に印象が深いのが二点(これらは会話の中でも話を聞かせてもらった)、
1. 「逆説明責任体制」という概念。民主主義では有権者に政治家が政策や実績などを説明するのが通常であるが、自民党政権においては地方自治体や利益団体が選挙支援により自民党への忠誠心を説明したという「逆の」概念が働いていたとするもの。
2.また、新幹線や高速道路といった大規模公共工事は自民党の勢力維持拡大のために使われたとされる。しかしながら、データを分析すると、新幹線などは完成してしまったら選挙には役立たずに「むしろマイナス」に働いた。この分析は非常に示唆に富む。つまり、社会インフラ整備は完成させずに先延ばしにした方が選挙支援を得ることができることになるのだ。
データ分析に基づき説かれる概念はすばらしいし、なによりも著者の経験などから書かれているコラムが面白い。