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自殺論 (中公文庫)
 
 

自殺論 (中公文庫) [文庫]

デュルケーム , 宮島 喬
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (13件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

デュルケーム自殺論

登録情報

  • 文庫: 568ページ
  • 出版社: 中央公論社 (1985/09)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4122012562
  • ISBN-13: 978-4122012561
  • 発売日: 1985/09
  • 商品の寸法: 15 x 11 x 2.5 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (13件のカスタマーレビュー)
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最も参考になったカスタマーレビュー
99 人中、95人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ask170
形式:文庫
本書は、19世紀末の自殺者の増加を受け「人はなぜ自殺するのか」を、個人的理由に還元することなく、社会構造に起因する問題だとして分析を進めている本である。

自殺を社会構造から考えるという発想自体も面白いが、何より感心するのはその手堅さだ。序論で自殺の定義をし、その要因として考え得る様々な要素をあげ、妥当でない要素を一つ一つ排除し(これだけに100ページ以上費やされる)、その結果社会的要因を見いだし、さらにそれを三つの類型に分けて分析ていくという一連の過程が、上記の問題意識のもとで一貫して進行していく。その際に統計的な手法を用いて数値によって論じていることもあって、その堅実な論述の進め方にはほとほと感心する。

また、最後の章で「実践的な結論」として自殺者の増加を防ぐ方法について考察されていることも好感が持てた。「まず対象となる問題をきちんと定義し、他の可能性を排除しつつ分析を進め、結論を出し、最後にそこから現実の問題を考える助けとする」という、よい論文のお手本のような名著だった。

したがって、この本はまず社会学のよき入門書になるだろう。最近の下手な新書や入門書を読むよりも、社会学の何たるかを身をもって堂々と示してくれるはずだ。また、評者のような門外漢の者にとっても、論文とはかくあるべしという一つの姿を見せてくれる。まさに古典の名にふさわしい名著ではないだろうか。

このレビューは参考になりましたか?
18 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By dvrm トップ100レビュアー
形式:文庫
「自殺論」というタイトルがそれだけでモリエールの「人間ぎらい」並みのインパクトを持っていて、書名はずっと知っていたが、ずっと読む気になれずにいた。今回読んでみると、タイトルが想起させる印象とは全く違った、内実のある論述が展開されていた。
内容は、社会学自体が志向した、先行する形而上学や心理学、自然科学全般とは違う現実把握の方法を、当時から社会問題とされていた自殺に対して適用した分析で、序論・全三篇十三章に纏められている。全体の論述の方向としては、各国・各地域での自殺者数・自殺率の統計、自殺と関係すると思われる図表や数値を検討し、自殺に関わっている本質的な要因として、個人的側面ではなく社会的要因を挙げ(第一編)、以後、社会的要因の数々をデータに基づいて列挙し、その一つ一つに就いて分析を付す、といった流れを取り(第二編)、第三篇では以上の分析から社会全体に関わる複合的な把握と分析、最後に自殺に就いての対応策、といった手順を取る。
全体を見通して改めて考えてみると、この著作は自殺に就いての分析でありながら、その過程において「社会」が実在すること、社会が個人の生活、あるいは人間そのものの本質を規定していることを証明していることに気付く。自己本位的自殺、集団本位的自殺、アノミーという自殺の類型も社会の実在の確実さによって概念としての強度を獲得していることが見えてくる。この著作は、読むものに世界に就いての新たなリアリティを感じさせたに違いない。その意味で、きっと古典と呼ばれるのにふさわしいのだろう。
細かい部分を読んでいくと、今では統計学の授業で真っ先に注意される相関関係と因果関係の同一化をしていたり、今ならきっとフェミニズムの立場から非難の対象になる女性に就いての記述などもあるが、それによって価値が無くなることもないだろう一冊。ただ、記述の仕方が妙にねちっこいところもあります。
このレビューは参考になりましたか?
9 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
自殺は罪悪か 2009/12/25
By Tod
形式:文庫|Amazonが確認した購入
 自殺というとどうしてもその心理的動機や精神的葛藤に興味が向いたり、善か悪かといった道徳的問題に関心が払われがちである。だが1897年にオリジナルが刊行された本書は、道徳的解釈を完全に排除し、徹底的に統計学的な分析を試みている。
 自殺の定義から始まって、精神病や人種等の先天的(遺伝的)要因、気候などといった自然環境的要因をデュルケームはまず検討し否定する。そして自殺の割合が社会およびその状況に依存している(らしい)ことに着目し、社会的要因に淵源する三つの自殺タイプを提唱する。すなわち、社会からの疎外に起因する「自分本位的(利己的)自殺」、社会への埋没がもたらす「集団本位的(愛他的)自殺」、社会の破綻に基づく「アノミー的(虚無的)自殺」がそれである。
 はじめに結論ありきで、それに基づいてデータを解釈している、という読み方もできないことはないが、自殺はカトリックよりもプロテスタントの方が圧倒的に多いという事実や、離婚制度と自殺との因果関係など、興味深い指摘も多い。
 本書にも紹介があるが、かつて自殺とは刑罰に値する罪悪であった。宗教的背景は口実に過ぎず、恐らくは罰したいという欲求が、自殺者をその標的として選ばずにはいられなかったのだろう。罰に基づいて罪の概念が形成されるのだとすれば、自殺の蔑視はヨーロッパの伝統に基づくドグマでしかないのではなかろうか(もっとも自殺を潔しとする風潮もまた、切腹という文化を持つ日本特有のドグマでしかないのであろうが)。自分の命の所有者は自分ではないという議論も成り立つとはいえ、自殺とは不可抗力であり、善悪という基準で量るべきものではないと思う。そういった意味でも、感情を排した本書の客観的分析手法には好感が持てる。哲学的とは言えないが、社会学の古典の名にふさわしい名著。
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社会科学の古典的名著
デュルケーム(1858-1917)による自殺の社会学的研究、1897年公刊。前著『社会学的方法の規準』に於いて確立した、他の諸学から区別される固有の学としての社会... 続きを読む
投稿日: 13か月前 投稿者: transcendental
読み返すたびに味がある
... 続きを読む
投稿日: 18か月前 投稿者: POLE VAULTER
驚きの良書!
全くもって驚ける良書です。
自殺に至る背景は今も昔も変わっていない事が良くわかります。... 続きを読む
投稿日: 19か月前 投稿者: 5150
ディユルケームの社会病理学的考察
他の如何なる動物と比べて、心理的な行為として、「自殺」があるのは、人間と言う種の特徴と言えよう。遠い過去から、自殺は人間の普遍的現象の一つであった。ある社会で、そ... 続きを読む
投稿日: 2009/7/30 投稿者: 時代錯誤
協同組合という対案
自殺に対してデュルケムが協同組合という対案を最後に出していることはもっと注目されて良い。
日本の学者だとこうはいかないだろう。... 続きを読む
投稿日: 2009/7/11 投稿者: yojisekimoto
方法は最高に素晴らしいと思う。
デュルケーム(デュルケム)という名前は前から気になっていたけど、社会学の古典的名著とされているということで読んでみた。... 続きを読む
投稿日: 2006/6/6 投稿者: 哲学する河童
現代日本においてどこまで有効か?
... 続きを読む
投稿日: 2005/10/9 投稿者: daepodong
「社会についての知」として必要なすべてを装備した書
「自殺:社会学のエチュード(研究)」とでも訳すしかないタイトルを持つこの書は、一般に『自殺論』と訳され、デュルケムの手になる社会学の一大古典として知られている。<... 続きを読む
投稿日: 2004/6/4 投稿者: kurubushi
統計的実証研究の参考書
自殺の原因を様々な角度から仮説を立て、その後統計的分析手法を駆使して仮説を丁寧に検証している。コンピューターの無い時代にここまで数値検証を行った迫力には圧倒される... 続きを読む
投稿日: 2003/7/23 投稿者: テリーズ
社会科学的分析のおもしろさ
この本は自殺に関する社会科学的研究のおもしろさがつまった本だとおもう。アノミーという概念をもとに、好景気のときになぜ自殺が多いのかといったことを分析している。人の... 続きを読む
投稿日: 2000/12/3
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