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ドーキンスの「利己的な遺伝子」を読んだことのない人も、この本を一読すれば、生物学の最先端の論争を読み解くことができる。ドーキンスは、生物は遺伝子の自己複製を助けるための乗り物でしかない、と断言。生物の生存の目的は「遺伝子」の増殖である、との理論を確立した。
著者は、ドーキンスの理論を「文系の人間」でもわかるようにかみ砕いて論証てくれた後、しかし人間は遺伝子の複製装置とは違う「自我」を発達させることで「遺伝子」に対する「個体」の優位を主張するまでになった、と述べる。
人間は「生の目的」を個体の水準でも、家族の水準でも、国家や民族の水準でも、人類という種の水準でも、あるいは地球という超生命体の水準でも設定できる。社会生物学と比較社会学という近そうに見えて、案外遠い2つの学問領域を明晰な理論で描ききった希代の名著。
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