SOMの応用、というタイトルにぴったりの一冊だと思います。
理論が詳しく知りたいと思う方には、徳高先生は既にコホネン先生のSOM理論の「自己組織化マップ」を訳されてますのでそちらを一読なさってみてはいかがでしょうか。
SOMはその応用範囲の広さはもちろんですが、出力のマップの面白さ、わかりやすさがウケている理由の一つですので、SOMを知ったらまず誰でも「試してみたい」と感じると思います。(私もそうでした。)そう思った際にすぐ、SOM_PAK(コホネンチーム作成のSOMアプリケーションパッケージ)で試すことができることもSOMの利点の一つです。
本書はこのSOM_PAKの使い方が、徳高研の学生の論文紹介を通して具体的に解説されている点が特徴です。どんな学習データをそろえればよいかなど、SOM_PAKのサンプルデータでは足りなかった点も解説してます。また、現場の技術者がSOMを早速使ってみようとする際にSOM_PAKの英語がまず壁となります(読めても今ひとつ理解できなかったり)が、この本では学習過程の概念図など、図を交えわかりやすく書いてましたので非常に助かりました。私が唯一残念に思ったのは、時系列データの扱い方についての記述が少なかったことです。
手軽にSOMを学びたい、とりあえず手持ちのデータを処理してみたいという方にお勧めです。