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自己牢獄を超えて―仏教心理学入門
 
 

自己牢獄を超えて―仏教心理学入門 [単行本]

キャロライン ブレイジャー , Caroline Brazier , 藤田 一照
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「MARC」データベースより)

仏教の中にある心理学的な諸教義を総合し、それらがどのように組み合わさってひとつのまとまった絵となるかを示そうと試みる。東西を超えた智慧と実践へのインスピレーションに溢れた一冊。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

ブレイジャー,キャロライン
1955年、英国北部のダーハムに生まれる。キール大学でカウンセリングの修士号取得。「関与する仏教」の教団である「阿弥陀宗(Amida‐shu)」の僧侶(僧名はPrasada:浄信の意)であり心理療法の実践家でもある。夫のデイビッド・ブレイジャー(コスモス・ライブラリー刊『禅セラピー』の著者)とともに、現代における治療的関係という文脈で仏教心理学を活かす道を長年にわたって探求して来た。また、二人は英国において応用仏教心理学と心理療法の分野での訓練プログラムを指導し、ヨーロッパ、北アメリカにおいて定期的な活動をおこなっている

藤田 一照
1954年、愛媛県生まれ。1982年、東京大学大学院教育学研究科教育心理学専攻博士課程中途退学。同年曹洞宗紫竹林安泰寺入山。翌年得度。1987年、米国マサチューセッツ州西部のヴァレー禅堂住持として渡米。近隣の大学や瞑想センターでも禅の指導や講義をおこなう。2005年帰国(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 407ページ
  • 出版社: コスモスライブラリー (2006/12)
  • ISBN-10: 443408738X
  • ISBN-13: 978-4434087387
  • 発売日: 2006/12
  • 商品の寸法: 21 x 15 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
本書の原題は,Buddhist Psychologyであるが,訳者は心理学者や仏教側の拒否反応を懸念し,「仏教心理学」という言葉をあえてメインタイトルにしなかったという。しかし,このような事情が最近になって少しずつ変わりつつある。アメリカ心理学会の学術誌にも,仏教に関するテーマを扱った文献が急速に増え,注目を集めている。本邦でも,仏教瞑想であるマインドフルネスを心理学に導入した書などが相次いで出版され,関心も高まってきている。

ただ,残念ながら,心理学におけるこのような展開は,その多くにおいて,仏教の教義が深く理解されないまま,単なる表層的な技法論に終始している感がある。つまり,仏教心理学として1つの形をなしているのではなく,従来の心理学に若干の仏教的な要素を取り入れた程度にしかなっていない。

その点,本書は,仏教への比重が大きい仏教心理学の稀有な書の1つである。本書の至るところにサンスクリットの仏教用語が散見されるが,それらが心理学との関係でわかりやすく解説されている。また,訳者の配慮により,サンスクリット語だけでなく,必要に応じて英訳語と漢訳後も併記されており,初学者にとっても非常に勉強しやすい。

本書の論点の1つに,自己は自分を守るための防衛構造でもあるが,自分を制限し,他者から切り離す「牢獄」にもなりうるという主張がある。たとえば,他者に批判をされると,怒りが生じ,これを正当化しようとする。このようなプライドや自己に対する執着に起因する怒りこそ,本書のタイトルにある「自己牢獄」の好例であり,これに打ち勝つためには自己そのものを超越する必要があるという。

このような考え方は,西洋の自己を中心とした心理学に対して,非自己(無自己)の心理学と呼ばれ,東西の知恵の大きな違いを表しており,今後の心理学にとってもチャレンジングなテーマであり続けるに違いない。
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By jsoyo
形式:単行本
仏教にもカウンセリング・セラピーにも,一石を投じた一冊。四聖諦,五薀,唯識といった仏教の広くて深い教義を仏道の実践者・セラピーの実践者の視座で統合的に論じていて,非常に興味深い。特に,”グラウンディング(大地にしっかり足をつけること)”と”鼓舞と変化”の章は,読み応えがあります。

仏教教義が技法として「適用」される時,本来の仏教教義が示そうとしていることとコンフリクトするのでは?という疑問(たとえば,"月"ではなく指し示す”指”を見てしまうというような…)も残りますが,その問いも含めて,仏教者やセラピストだけでなく,「自己牢獄」からの解放を求める多くの人たちを触発してくれると本だと思います。
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