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自壊する帝国 (単行本)

佐藤 優 (著)
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自壊する帝国
ロシア外交のプロとして鳴らし、「外務省のラスプーチン」などの異名を取った著者の回想録。在ソ連日本大使館の外交官として見聞きしたソ連崩壊までの一部始終を振り返る。

「もともと、人見知りが激しい」という著者だが、モスクワ大学留学中に知り合った学生を仲介に、多くの重要人物と交流を深め、インテリジェンス(機密情報)を得る。ウオツカをがぶ飲みしながら、神学の教養を中心に幅広いテーマで議論を交わし、信頼と友情を勝ち取る。その豊富な人脈と情報収集力を1991年のクーデター未遂事件でも発揮、ゴルバチョフ大統領の生存情報をいち早く入手した。

出世競争が最大の関心事であるキャリア組とは大きく異なる仕事・生活ぶりで、外交官の本質を考えさせられる。


(日経ビジネス 2006/07/17 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)



出版社/著者からの内容紹介

第38回大宅ノンフィクション賞受賞、第5回新潮ドキュメント賞受
賞、「新聞・雑誌の書評担当者が選ぶ最高! の本」第1位獲得−−。
国際スパイ小説よりスリリング!
 外務省きっての情報マン、「ラスプーチン佐藤」はいかにして誕生したのか?
 待望のインテリジェンス・ノンフィクション。
 今、日本に求められているのは、この男の「情報力」だ!!

 国家とは、こうもあっさり滅びてしまうものなのか!?
 ソ連邦末期、世界最大の版図を誇った巨大帝国は、空虚な迷宮と化していた。
そして、ゴルバチョフの「改革」は急速に国家を「自壊」へと導いていったの
だった──。ソ連邦の消滅という歴史の大きな渦に身を投じた若き外交官は、そ
こで何を目撃したのか。


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5つ星のうち 5.0 『事実は小説より奇なり』を地で行く小説, 2006/11/13
By 草雲雀 (台湾国台北市) - レビューをすべて見る
この著は国策捜査で有名になった佐藤優氏の、外交官になった85年からソ連が崩壊する93年頃までのモスクワ生活回想録である。

恐らく事実であろう。

事実にしては凄い体験だ。ソ連の政治家、思想家等とのコネクションの構築の過程、ソ連邦各国でのクーデターに立ち会ったときのこと細かい説明、ゴルバチョフ死亡疑惑の際に生存の情報を真っ先に得た際の状況等々、現場に立ち会った著者の体験が次から次へと記されている。

『国家の罠』でも感じたことだが、著者が義理なり信念を非常に重んじているのが著書の軸を形成している。この軸からぶれない。それが国策捜査であれ逮捕された著者の本が広く支持されている理由の一つであろう。

もっと仕事をさせたかった、と思うと同時に仕事を今でも続けていればこの内容が表に出ることもなかったのかと思うと複雑な気持ちになる。早く次作を読むこととしよう。

ところで、著者の酒の強さには脱帽、本を読んでいながらもこちらが酔ってしまいそうな酒量である。御身大切に・・・



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5つ星のうち 5.0 孤高のインテリジェンス, 2006/7/24
いや実に面白い。「国家の罠」でもそうであったように、読み進めていくうちに小説と錯覚してしまう。それほどに読者の想像力を刺激する。

この著は氏が外交官としての成長と外交官兼スパイになるまでの過程を、ソ連が自壊しロシアに至る大きな歴史の流れに組み込んだものである。そもそも、ソ連が自壊する過程を知らない人は意外と多いはずである。その自壊の過程は実に人間臭く有機的な匂いを放っている。それを知る事が出来るだけでも一読する価値がある。また、その自壊する過程の中で氏の果たした役割は非常に大きいのである。

西側の外交官にして共産党派に多くの人脈を持つ異能の外交官。卓越した洞察力と孤高のインテリジェンス。真にエリートであると痛感させられる。

なお、今回は艶っぽいエピソードが適宜導入されており、思わずにやりとしてしまう場面も多々ある。

とにもかくにも、日本政府は逸材の人物を自ら手放してしまった。殊に外務省の体質弱化には目を覆いたくなるものがある。

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39 人中、36人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 前作『国家の罠』との見事な連環, 2006/6/14
 購入してそのまま、一気に読破しました。面白かったです。前作『国家の罠』を読んで以来、佐藤優さんの類い希な知性と、その文章が醸し出す前向きなユーモアセンスに魅了されてしまいました。
 今回の作品では、情報分析官としての修業時代に遭遇した、「ソ連崩壊」という大事件を佐藤さんの独自の視点から描いています。史実を淡々と時系列で述べていくのではなく、ソ連という巨艦が沈没していくプロセスを、その現場に居合わせた人々の動きを追うことで、緻密な人間ドラマとして描いている、力作です。
 それにしても、モスクワ大学での反体制派学生とのひとつの出会いをきかっけに、アカデミズムやジャーナリズム、守旧派の共産党幹部にまで人脈を広げ、様々な情報を取ってくる佐藤さんの姿は、ラスプーチンというより、ゾルゲのようにも思えました。
 また、物語の最後で、前作と見事な連環を見せるのですが、その辺りの筆力は、熟練した小説家のようでした。
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