自動車に使われる材料は多種多様である。また自動車技術に携わる技術者の専攻も幅広い。著者はこの多種多様な材料を幅広い対象者にコンパクトに説明することに成功している。これまで、“自動車用材料”として、基礎から応用まで、金属材料から有機材料、無機材料に亘って扱った本はないので、初学者に大変有用な入門書である。本書の特徴は、著者が長年に亘って自動車工学の授業を行ってきたこと、また著者自身が、鋼材、無機材料等の疲労強度について研究を行ってきたことが反映されていることである。すなわち前者については、自動車に使用されている部品と材料について、機能との関連でバランスよく説明されていることが挙げられる。後者については材料の機械的性質が、ミクロの構造との関連において説明されていることである。