養老孟司氏が1990年代後半に発表した講演・文章を再編集したものです。
現在まで続く養老先生らしい「都市は脳の表出であり、意識されたものしか存在しない」「意識できるものには限界がある」「教育とは『手入れ』の感覚で」といった話が、体験談も交えて語られています。そのものの見方は共感できる部分が多いので、読み進めることができました。また、講演での語り口をベースにしているためか、マイルドな語り口になっており、それも読みやすい要因になっているような気がします。
ただ、今まで出ている出版物と比べて目新しいところがないので、養老先生本を読み続けてきている方には退屈かもしれません。
一方で、これから養老先生の本を読もうと思っている方には、先に述べたとおり読みやすい本ですので、この一冊から読み始めるのはいいことだと思います。