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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
あるドイツ人画家の手紙,
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レビュー対象商品: 自伝と書簡 (岩波文庫) (文庫)
既出の「ネーデルラント旅日記」の姉妹編ともなる、デューラー自筆の書簡集が同じ岩波文庫から出ました。16世紀ドイツの偉大な画家が送った私的・公的な手紙や、自らの出自を書き綴った記録が載せられています。生涯の盟友であり最大の支援者でもあった地元の有力者、ヴィリバルト・ピルクハイマーへ向け書かれた若き日の「ヴェネツィア通信」は、500年前とは思えないほど、現代人にも親近感の持てる活き活きとした内容です。(訳者は現代語訳にあたり、余りにも近代人のようになってしまうことに悩んだと述べていますが…) また、「ネーデルラント旅日記」での最重要課題であった神聖ローマ皇帝マクシミリアンからの年金支給問題がいかに難儀したかを物語る数々の書簡が非常に興味深い。孫のカルロス皇帝からの支給確約の指示書には、長年の目的達成の感慨もひとしおだったろう、と推察されます。 はるか昔の(著名であったとはいえ)一個人の手紙が、こうして遠く離れた極東の果てで読まれているだろうとは、彼も考えもしなかったことでしょう。跡かたも残らない電子メール時代にあって、手紙の持つ重みを実感させられます。
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
商魂逞しい芸術家の素顔,
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レビュー対象商品: 自伝と書簡 (岩波文庫) (文庫)
同じアルブレヒト・デューラーの「ネーデルラント旅日記」の姉妹篇。自伝と書簡から構成されており、前川氏の流麗な翻訳もあって、とても興味深く面白く読むことができる。デューラーは1471年に18人兄弟の3番目として生まれている。な、な、なんと18人兄弟・姉妹!!!!! 竹馬の友であり、パトロンでもあるヴィリバルト・ピルクハイマー宛ての書簡が面白い。彼の御用聞きのような役割をしつつ、デッサンとか板絵を書きつつ、そこでギャラを得つつ、各地へ赴き様々な物品を買い集めて来るようだ。「旅日記」でもそうだったが、彼は非常に金に細かい。書簡を読んでいると、これがあの芸術家の書いたものかいなという気になってくる。傑作。 たとえば次のような書簡がある、その抜粋・・・・・ ・貴兄の好い人がペストで亡くなったかどうかお報せください。 ・貴兄が女性を一人せしめられたに違いないと思っております。 ・私が何よりもフランス病(梅毒)に罹らぬよう神に御加護を願って頂きたい。 ・私のフランス外套が貴兄によろしくと申しております。 (「デューラーは衣装道楽であった」との前川氏の訳注があるが、この注も可笑しい) ・貴兄はいい齢をしていながら自分では美男であると思い込んでいるのを毎日恥じて然るべきです。 ・・・・・もしも貴兄が私のように美男で物腰優しければ私もそれを信じましょう。 極めつけは、 ・貴兄は、早く帰れ、さもないと家内に浣腸するぞとお書きですが、御無体と申すもの。 そうなれば貴兄は彼女を殺して了うでしょう。 また、絵画の依頼者ヤーコブ・ヘラーへの書簡。これは、徹底的にプロ意識満々で自身溢れる営業活動が展開されている。高価なウルトラマリーンなる絵具を使うので、もっとギャラをくれとか、出来上がり作品を飾る場合の角度調節の方法とか。このようなプロ意識が凄い。前川氏が(注)で解説していることだが、本書は約500年前の西暦1500年前後の話だが、彼は当時の絵具の性質から約500年くらいしか長持ちしないのではないかと考えていたようだ。即ちキリスト教でいうところのこの前の2000年紀で自ら描いた絵も消滅してしまうと考えていたようなのだ。 その他の書簡もあるがその中の「猿の踊り」の版画には不思議な可笑しさがある。
1 人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
一般的な意味での自伝じゃないでしょ。,
By とうご (岩手出身) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 自伝と書簡 (岩波文庫) (文庫)
この本の内容に価値があるのは分かりますが、一般的な自伝ではないと思います。家族のことや生い立ちを『家譜』という20ページの部分で述べていますが、客観的な感じの記述です。あとは書簡集なので、デューラーの人生を初めて知ろうという人には不向きです。大学生、研究者向きです。
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