同じ著者の作品中では良作の部類に入る本だと思いますが、装丁で損をしているような感があります。
2部構成の前半では、精神科の臨床の現場において、ふとした言葉が状況を変えた例を、著者の考察を交えて報告しています。
後半では『辺境の作法』と題して、精神病(境界型パーソナリティ障害、反社会性パーソナリティ障害、躁病、うつ病)の様々な臨床例を紹介し、患者への対応方法について考察しています。
前半は興味深いエッセイとして楽しめますし、後半は精神病患者への対応のみならず、一般的な対人関係の悩みにも応用できそうな実用書として役立ちます。特に、反社会性パーソナリティ障害の臨床例は珍しいので、この障害について調べている方には一読の価値があると思います。