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いったい“臨床”とはどういうものなのか.自分なりに考えたいと思って手に取った一冊.
哲学者である著者が,なぜ<臨床の知>に至ったかまでを綴った前半と,それをより実践的な医療の場面にあてはめた後半とに大きく別れる.
私の読書目的からすると,I章・II章あたりの<科学>の批判的なとらえ方にいろいろと刺激を得ることが出来た.
とくにI章での科学を制度化したことの弊害として,<普通科学>者の保守性に関する記述には,正直痛いところをつかれた.
大義名分と実際にやっていることのギャップ.自分でもわかってはいたが,びしっといわれると反論する術を持たない・・・.肝に銘じたいところである.
後半の脳死判定,インフォームド・コンセントに関する記述は,読み物として非常に面白い.
私たち日本人が持っている曖昧さと,死のとらえ方,医者と患者という立場のとらえ方など,この時勢だからこそ捉えておきたい考え方がたくさん示されている.
全体としては難解で読みにくいとは思うが,得られる物が多い本であったと思う.
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