「駿河城御前試合」の劇画化は平田弘史、とみ新蔵、山口貴由の三氏が挑んでいます。
近年では「無明逆流れ」を主とした山口貴由さん「シグルイ」の印象が強烈で、お読みに為った方には先入観無く本作に接するのは容易くないと思います。
それでも素晴らしい絵を描くベテランで、かつて小島剛夕さんの後を継いで名作「子連れ狼」の続編を担当する難事にも挑んだ森氏らしく中々健闘しています。
試合の順番は巻頭の「無明逆流れ」以外はシャッフルされており、この巻に収録されている他のエピソードは「がま剣法」と「判官流疾風剣(疾風陣幕突き)」です。
私は原作と他のコミカライズ全てを読んでいますが、流石に「無明~」は「シグルイ」と比較すると地味に映る物の、他は連作短編だった原作一話に付き70頁前後でまとめた本作の方が近いと思います。
実は原作のエピソード全てを完全劇画化した作品は未だ無く、現在(2011年6月)も隔月刊誌「コミック乱TWINS戦国武将列伝」にて連載中の本作には是非とも成し遂げて欲しいと思いました。