余は専ら懐中時計を使用してゐる。先年までウォルサムの機械式懐中時計を毎日使つてをつたのだが、滑らせて落としてしまひ、停止してしまつた。その後、手巻きの機械式懐中時計を使ふのが不安になり、セイコーのクオーツ鉄道時計を使つてゐる。この時計は視認性もいいので不自由はしないが、機械式懐中時計に比べるとやはり軽薄だ。まあやむを得ないところだらう。ところで滑らせて落としたウォルサムの懐中時計は分解掃除で直つた。諸賢も機械式懐中時計を使つてゐたら落とさないやうに気をつけたまへ。腕時計は懐中時計に比べると落とす懸念が小さいので安心だが、本書を読んで余も改めて腕時計を購入したいと思ふやうになつた。