主人公が妹に「私を褒める言葉を100個(?)並べて皆の前で叫べ」
といびるシーンがあって、当然のことながら妹はじきにつまってしまうのですが、
逆に罵る言葉だったら、傲慢、自己チュウ、うぬぼれ、勘違い・・・きり無く溢れ出てきそうなくらいの
嫌な女をサトエリが見事に演じきっています。そんな嫌なやつに妹も兄嫁も
そして一見屈強そうな兄までも惨めなまでにひれ伏す不条理なストーリーと生々しい描写に
途中で少し気分が悪くなったりもしましたが、ラストシーンではいいようのないすがすがしさに
包まれました。でもそれは服従するばかりだった妹が奇跡の大逆転をしたからといったものでもないのですね。
うーん、どう言ったらいいのかわからないのがじれったいのですが、
とにかく暗澹たる気分が続いたあとなせいもあって、なんかやたら気持ちよかったのですね・・・。
それがブラックユーモアってもんなのさ、なんてわかったふうなこと言われたって納得はできないので、
不思議なカタルシスについてはもう少し自分なりに分析してまた書き込もうと思います。
サトエリの怪演以外にも、兄・長瀬正敏の情けなさっぷりや、皆さん絶賛の兄嫁・永作博美の
単純なマゾなんかとは微妙に異なる超自虐キャラ、妹・佐津川愛美の何でも面白がってしまう
奇妙な性格とか、とにかくやたらめったらコテコテでしつこいのですが、ぐいぐい引き込まれ
てしまい、いつもは何度も休憩をはさみながら鑑賞する私も最後まで一気に見てしまいました。
少し前にこの吉田監督の手になるショートムービー(男の子はみんな飛行機がすき)を
見たときには、ダメだこのカントク・・・なんてつい思っちゃいましたが、この映画を見て
考えを改めました。次回作がとても楽しみです。