女にもてないことを科学的に説明しようとしたらしいのですが、非常に一面的です
科学的と宣言しながら現象を説明できそうな仮説を全て並べ検証するというプロセスを踏んでいませんし
遺伝子の(メタファーとしての)利己的な動機とフロイト的な無意識の動機を混同しています
人は遺伝子を気にかけて行動するのではなく直接的に気にするのは幸福や性愛や権力や尊重など
淘汰の結果つくられた感情の方です。考慮している生得的特性の範囲もせますぎるため
一方的な生物学とフロイトの性的な動機探しがまじりあって議論は混乱し
やたら他人をモテ系だと非難しています
フロイト的な性的動機探しで混乱していた 喪男の哲学史 よりさらに混乱しています
全体としては、求愛行動は競争であるから恋人市場ができあがり
競走が過熱すると当事者達もつらいから
無理に恋人市場に入らないで2次元恋愛をしてまったり生きるのはよいことだし
2次元恋愛には化学的去勢のような効果もあるだろうという平凡な考えを
デメリットも考慮せずに一方的な引用と理解していない科学用語の濫用で虚飾しているにすぎず
そこに不幸な自分語りによって根拠のない説得力を与えようとしていますが
萌え商品を売っている側の人間が言っているので、かなり胡散臭い印象でした
歴史的な記述も、現代より殺人率が圧倒的に高かった中世を
神によって救われていたと表現し、それとの対比で現代を批判したり
恋愛を12世紀のトルバドゥールなどが発明した自己救済のための宗教としたり、時代遅れの説が散見されます
僕自身、虚構を過剰に求めるもてない男なので題名に引かれて今度こそはと思ったのですが
作者の思い込みを共有して一体感を得たいという人以外には、まったく、おすすめできません
非モテ人生への提言という観点から見ても金塚貞文や小谷野敦の提示していた枠組みに回収されてしまっています