日経サイエンス社から出ている本なので、一般向けに書かれているのだと思うが、内容はもともと「IMAGES OF MIND」という洋書の翻訳で、しかも内容自体は著者のポスナーとレイクル(どちらも有名な先生です)が主に関わってきた研究論文の内容の紹介がほとんどですので、やや専門的なきらいがある。もともと著者らの研究論文は、イメージング技術を用いて、言語活動・視覚活動中の脳活動を捉えるという色合いが濃かったため、この本でも内容としてはその手の研究紹介が多く、ある程度言語活動と脳の関係を知っていないと読んでいても面白くないかもしれない。ただ、挿絵・写真が全頁カラーで、PETなどの(書かれた年がやや古いので、解像度はそれほど良くない)写真が豊富に掲げてあるため、研究者はこういうイメージング結果から、一般的に言われている脳機能の働きを推測しているんだな、ということがよく分かる。海外の専門論文が載っているジャーナルを読む機会は普通はあまりないと思う。そういった意味で、脳科学研究がいかにして行われているかを感じることができるという点でお勧めである。