人間は、「快い」と感じる体験をするとドーパミンが分泌され、同じ行動を起こして、この快感を再び味わいたくなる。同じことをして再びドーパミンが分泌されると、「もっと快感を」と、その行動を繰り返したくなる。このように、平たく言うと「快感がクセになる」のが脳の仕組みであることが最近の研究でわかってきている。
また、ドーパミンが大量に分泌されて快感に震える瞬間、脳内の神経伝達が活発になり、それまで情報が流れていなかった神経の経路が突然つながることがある。すると、今まで考えてもいなかったアイデアが 降ってきたようにひらめく。
このように、本書では、行動遺伝学の専門家である著者が、脳と遺伝子の仕組みを利用して、冴えた頭になるためのセルフ・コントロール法を教えてくれる。
この“ポジティブ・スパイラル”を上手に活用すれば、好きなことを続けて、知らないうちに想像を絶する知識や技術を身に付けることも可能だと著者は言う。
このほか、体内時計を味方にする方法、記憶力の養い方など。東北大学大学院生命科学研究科教授である著者が、脳と、その基本設計図を与える遺伝子の働きを踏まえ、自分を「カスタマイズ」する方法を易しくを紹介してくれている素晴らしい本です。