~ 著者は認知心理学を専門にする学者です。しかし内容は300ページに及ぶ、美術と認知科学という二つの岸辺に架橋する果敢な試みです。大学の授業ノートを整理したものをベースにしてあるため、ややテキスト的な固さがありますが、認知科学や美術に疎い人にも分かりやすく書いてあります。また説明の為の画像が多く、理解しやすいのはさすがに、認知科学者~~、文章と図の併用が理解の効率を上げることを知っているからでしょう(それについても本文で触れています)。
具体的な内容としては人間の目と脳の情報処理の仕組みから始まり、見ることどういうことか、見たものが脳の中でどう処理されるのか、と認知科学の基礎が前半です。さらに美術における視覚の仕組み、遠近法と美術の歴史などが認知科学を基礎に、~~コラムや著名人の言葉とともに体系的に論じながらまとめられています。最後には心と美術の関係を神経ネットワークをもとに解き明かす!、という内容です。認知科学と美術のバランスは程よくとれていて、読みやすいです。~