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脳はなぜ「心」を作ったのか「私」の謎を解く受動意識仮説 (ちくま文庫)
 
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脳はなぜ「心」を作ったのか「私」の謎を解く受動意識仮説 (ちくま文庫) [文庫]

前野 隆司
5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (32件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 798 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

意識とは何か。意識はなぜあるのか。死んだら「心」はどうなるのか。動物は心を持つのか。ロボットの心を作ることはできるのか―子どもの頃からの疑問を持ち続けた著者は、科学者になってその謎を解明した。「人の『意識』とは、心の中でコントロールするものではなく、『無意識』がやったことを後で把握するための装置にすぎない。」この「受動意識仮説」が正しいとすれば、将来ロボットも心を持てるのではないか?という夢の広がる本。

内容(「MARC」データベースより)

意識とは何か。意識はなぜあるのか。死んだら「心」はどうなるのか。動物は心を持つのか。ロボットの心を作ることはできるのか。「心とは何か」という疑問の答えに挑んだ野心的な書。 --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 249ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2010/11/12)
  • ISBN-10: 4480427767
  • ISBN-13: 978-4480427762
  • 発売日: 2010/11/12
  • 商品の寸法: 15 x 10.8 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (32件のカスタマーレビュー)
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43 人中、37人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By モワノンプリュ VINE™ メンバー
形式:単行本
 確かにこの本の記述には素朴過ぎる部分がある。この分野で営々と積み上げられた諸説の厚みを無視した、あまりにナイーブな議論と責められても仕方ない面がある。哲学畑のうるさがたからすれば、ちょっとした皮肉の1つも言いたくなるだろう。
 しかし私としては、意識の問題を工学的な問題と絡めて考えているところが面白かった。著者の思考の筋道はこうだ。<脳はニューラルネットだ → 意識について従来言われてきた難問も、ニューラルネットの考え方で解決(または解消)できる → 人間的な意識をコンピュータに実装できる見込みはある>
 脳は情報を自律分散処理するニューラルネットと考えられる。すべては無意識下で進行し、意識とはその情報処理を直列演算の形式に翻訳したモデルに過ぎない。感覚なども脳が意識上にでっち上げるオーグメンテッド・リアリティ。この考え方で脳のバインディング問題が解消(解決ではなく)される。著者はリベットやノーレットランダーシュと違い、意識には拒否権すら認めないが、この思いっきりのよさは、やはり特筆すべき。
 さて、そうすると問題になるのは、なんで意識なんかあるのかという点。ここで著者は意味記憶とエピソード記憶の区別を持ち出す。昆虫のような単純な生活をする上では、一般的な意味の記憶だけで事足りるが、高度な認知活動を実現するにはエピソード記憶が不可欠だと言う。そしてこのエピソード記憶を発生させるには、意識の存在が前提になる。感情がこれに強弱をつけ、ニューロン接続の比重配分を決める。この理論の利点は、生命史における「意識の誕生」をそれほど革命的な飛躍と考えなくてもよくなる点だ、と著者は言う。かなり納得。
 著者はここでクオリア問題にも触れていて、それがまた興味深い。著者によればクオリアとはパタン情報処理に過ぎず、入力層と出力層を多次元パタン化して、空間的に分布して時間的に発展する情報処理を実現できれば、コンピュータにもクオリアが発生すると主張する。そういう訳で、人間のような心を持ったロボットは、進化的計算の援用などによって案外容易に実現できるはず、とのこと。
 私としては、結局は進化というブラックボックスに重荷を押し付けてしまう傾向や、コネクショニズムに対する古典的計算主義からの批判について検討されていない点が不満だが、いろいろ考えさせてくれる内容だった。推薦します。
このレビューは参考になりましたか?
47 人中、36人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 筆者は自信たっぷりに「心・意識問題」を解いたと公言してしまっているが、本書で述べられている考え方自体は特に新しいものではなく、無意識下で進行している脳内情報処理過程が表象された結果が意識であるとしている。
 しかしながら、こうした考え方は一見わかりやすく受け入れてしまいがちだが、言葉を変えて言うと、「無意識下で進行している脳内情報処理が表象され、意識上に上ったものが意識である」といっているようなもので、それでは意識はどのようにして「たち現れてくるのか」ということに対しては全く答えを提供していない。一種のトートロジーである。
 また、筆者の一般向け書としての配慮だろうか、脳内に「小人」がいて、それらの仕事の集合が脳内活動である、という書き方を多用しており、「ホムンクルスの誤謬」のことを指しているのではなく、ニューロンのことを指しているのだろうが、誤解を招く書き方となっており、注意が必要である。
 参考文献も科学論文が少なく、一般向けのポピュラーサイエンスの本(しかも邦訳ものばかり)ばかりで説得力に欠ける。せっかくロボット工学の専門家であるのだから、従来の哲学・認知科学的な枠にとどまらず、「技術屋」としての意見も交えてほしかったところである。  内容として読みやすいのであるが、科学的な説得力が乏しく、意識問題を解決したと公言する筆者の自信に少し疑問を持ってしまった(そんなにすごい論文ならもっとインパクトファクターの高いジャーナルに投稿すべきですよね)という点から星二つとした。
このレビューは参考になりましたか?
29 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
意識の“クオリア”には二つの解釈があると思います。チャルマーズや茂木健一郎はクオリアこそが100年も解けない難しい問題だと言う一方,コネクショニストは,ニューラルネットワークで作れるはず,といいます。この本は,“クオリアは脳が作った錯覚だ”と言い切っていて,コネクショニスト側の立場のようです。そういう意味では,チャルマーズのファンや不滅の霊魂を信じる人にはこの本は受け入れ難いだろうと思いました。しかし,クオリアは謎だ謎だというばかりで解決しようとしない哲学者や脳科学者の考えが流行している心の哲学の現状に閉塞感を感じていた私にとって,どちらかといえば劣勢に思える反対の立場をはっきり表明した本書は爽快でした。分かり易く,私のような理系の者にとって非常に受け入れ易い本だと思いました。特に,意識はエピソディックメモリーのためのものである,という所や,独我論を向こうに張った自己意識(<私>)の解釈などは,とてもユニークで面白いです。ただし,心理学や哲学についてはやや勉強不足ではないかという面もあるので,その点は差し引いて読んだ方がいいかも知れません。意識の受動性というこの本の主題は,下條信輔先生などの先端的心理学者がまさに取り組んでいるホットな話題ですし,現象としての意識を機能主義的な意識と用語としてはごっちゃにして述べている点は専門家にはやや気になるところでしょう。そうは言っても,ロボットを作っている工学の人がこういう本を書いたという所に,私は感動しました。意識はもはや哲学者の課題ではない!これから,理学・工学・心理学・哲学といったいろいろなアプローチが色々と切磋琢磨することによって,心は解明されていくのではないか!そういうとても元気な気分にさせてくれた本でした。分かり易く深みもあり,専門家にも初学者にもお勧めだと思います。
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