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脳はあり合わせの材料から生まれた―それでもヒトの「アタマ」がうまく機能するわけ
 
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脳はあり合わせの材料から生まれた―それでもヒトの「アタマ」がうまく機能するわけ [単行本]

ゲアリー マーカス , 鍛原 多惠子
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 1,995 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

設計図なんて作られなかった!?ヒトの脳と心は、進化が既存の生き物に備わったありものを使い回してこしらえた。だから、プログラマが言う「クルージ」なプログラムのごとく、なんでこんなややこしい作りになってるの、と突っ込みたくなるところが満載…進化心理学の俊英によるポピュラー・サイエンス。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

マーカス,ゲアリー
1993年、マサチューセッツ工科大学(MIT)より博士号取得。現在はニューヨーク大学心理学科教授、同大幼児言語センター所長。専門は言語獲得とコンピュータ・モデリング

鍛原 多惠子
翻訳家。1977年米国フロリダ州ニューカレッジ卒業(専攻は哲学・人類学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 284ページ
  • 出版社: 早川書房 (2009/01)
  • ISBN-10: 4152089970
  • ISBN-13: 978-4152089977
  • 発売日: 2009/01
  • 商品の寸法: 19 x 13 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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9 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By しらま VINE™ メンバー
形式:単行本
人間の心の進化について解説する進化心理学の一般書は増えてきたが、この本は次の2点で際立っている。1つ目は、記憶、選択、情動、言語、快楽、精神疾患など、人間の心の機能を幅広くカバーしていること。それぞれのトピックについて掘り下げて進化論的に論じた良書はほかにもあるけれど、これらを幅広く概観できるものはあまり見ない気がする。その分、個々のトピックの分量は物足りないかもしれないが、全体像を得るのにはとても良い。

もう1つは、一般的な科学書のように自然のエレガントさを読者に誇示するのではなく、逆にその行き当たりばったりな様をあっさりと認めてしまっていること。生物の進化が歴史性をはらむものであることを考えれば当然だが、書名も含めてここまであけすけなのも珍しい。進化論は創造論のような目的論的(teleological)な説明を退ける一方、一見どんなに不合理なものにも合目的的(teleonomic)な理由を探り出そうとする。しかし、そうして描き出されるストーリーは時として創造論の主張と同じくらい回りくどく奇抜なものになりかねない。著者の言うように、単なる「進化の慣性」の結果であることも多々あると考えれば得心も行くし、肩の力も抜けようと言うものだ。

そうして、人間の心がいかなる歴史を経て「いかにあるか」を論じた後で、著者は「いかにあるべきか」を問うている。その答えが、個人的で暫定的な“あり合わせ”の解決策(=クルージ)に留まっているのは致し方ないところだろう。ここはむしろ教育者や経営者や政治家の役割であるべきだが、彼らは往々にして人間の心が「いかにあるか」を知らずして「いかにあるべきか」だけを押し通しがちだ。その結果、多くの悲劇が繰り返されたことは言うに及ばない。科学を技術に昇華するには時間がかかる。それまでは、この本を参考に手前のクルージを繕ってやり過ごそう。
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23 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
“脳はありあわせの材料から生まれた”は読んで本当に楽しむ事のできる本。著者は天才的なひらめきで言葉と我々の日常生活の関係を追っていく。私は以前から創造性の発現の源に非常に興味を持ってきた。どのようにしたら創造性のある人間を作る事ができる課題のもとで自分自身に対して実験もしてきた。ところがこの本を読んでいくと今まで疑問に思ってきた事に対する答えがいともやさしい言葉や表現で述べられている。著者の機智に富む表現は読む者の気持ちをやわらげながら、心理的な脳の深奥へと導いてゆく。これは著者がニューヨーク大の幼児言語センター長である事とかかわりがあるのかもしれない。

特に引き込まれたのは第六章の快楽の説明。私は以前から“HAPPINESS FUNCTION”なるものをなかば冗談混じりに定義してきた。それは幸せと感じるためには自分の欲しい物(物質的な物でも精神的な物でも良い)をたくさん持っているよりも、それを加速度的に得られるときに感じるものというものである。ところがノーベル物理賞をもらった江崎玲於奈氏も最近良く似た定義をしているのでこのトピックに対して新たな興味が湧いたのだが、この本にもそれと似た様な事がいろいろな例を通して書かれている。脳の本というとどうも生理医学的なものを想像しがちだが、この本はそのような難しい内容をその深さを損なう事なく、でも子供にでも話しているようにやさしく読める本である。この本はすぐ大切にしておきたい本の仲間入りをしてしまった。

以前にこの本の英語版を読んだ事があるが、英語でしか意味の通じない機智に富んだ表現がたくさんあった。それを翻訳者、鍛原氏、はなんなくこなしている。政治から科学に至る非常に広いバックグラウンドをもった訳者である。
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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
認知科学等の研究から得られた知見である人間の脳が陥りやすい様々なエラーを題材として、脳がどのような進化の過程を経てきたか、を整理の骨格として、人間の脳の働きについて解説した本です。

エラーについては、進化論に対抗するために妄想されたインテリジェント・デザインを嘲笑うかたちで、「優秀なエンジニアが完璧な脳を作ったらこうなるはず」という、ある意味での理想的な姿を描いたうえで、実際の人間の脳は、これと何がどれぐらい異なっているか、を明らかにしています。

また脳の進化については、大脳皮質と辺縁系以下に大きく区分し、進化の過程で早く生まれた方(辺縁系)が遅く生まれた方(大脳皮質)を支配している、ということ、また各々が別の適応に向けて進化したこと、を概説し、様々なエラーの原因を、この2つの領域の在り方に求めています。

このようなかたちで整理されていますので、非常に分かりやすい解説になっています。
また、詳細な脳機能の説明こそ省かれてはいるものの、主な内容については質を落とさずに解説していますので、安心して学習することができます。
これまで読んだ脳科学の本の中では、最も分かりやすい部類にはいります。

更に、本書で明らかにされた脳の在り方や動き方に基づいて、様々なエラーと上手く付き合うためにはどうすべきか、というアドバイスもしています。これについては、質の高い類書にも出てきている内容ですが、どちらかというと感情に支配されないように理性を意識・活用しましょう、という以上のものではありません。
また、暗記中心の公的教育の在り方にも苦言をていしていますが、これもよくありがちなものです。
とはいっても何れも重要な提言ではあります。

あと、参考文献がしっかりと掲載されています。本書の裏付け確認をされたい方や、本書を踏まえて更に学習されたい方には有益な情報です。
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