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脳の可塑性と記憶 (岩波現代文庫)
 
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脳の可塑性と記憶 (岩波現代文庫) [文庫]

塚原 仲晃
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

人格の拠り所である人間の記憶は、脳のどこに蓄えられるか。なぜ瞬時に思い出せるのか。本書は記憶を蓄える場であるシナプスの驚異の柔軟性に注目し、可塑性こそ脳の本質を理解する上で鍵となるという立場に立つ著者の遺著である。脳の記憶と学習のメカニズムを考察する上で、その先駆的な意義は失われていない。(解説=村上富士夫)

内容(「BOOK」データベースより)

ほとんど無限の容量を持つ人間の記憶は脳のどこにどのように蓄えられ、長期にわたって保たれるのか。なぜそれを瞬時にして思い出すことができるのか。本書は記憶を蓄える場としてのシナプスの柔軟性に注目し、いまだ神秘に満ちている脳の記憶と学習のメカニズムを生涯探究し続けて、脳研究の歴史に輝かしい足跡を残した著者による先駆的な意義を持つ遺著である。

登録情報

  • 文庫: 224ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2010/5/15)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4006002378
  • ISBN-13: 978-4006002374
  • 発売日: 2010/5/15
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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最も参考になったカスタマーレビュー
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
脳科学という、21世紀になって隆盛を極めつつある最先端科学であり、秒進分歩の分野にあって、このように古い書物を現在になっても尚且つ読む意義があるのか?
書いてある内容が古すぎて誤解を生まないか・・・。
読めば立ち所にこの疑問が払拭される。数多の脳科学本が跋扈する中、これほど本質的で親切でエキサイティングな書物はないのではないか、とさえ思う。埋もれてはならない本である。2000年にノーベル医学生理学賞を受賞したE. Kandelと比肩する研究実績があり、しかし志半ばで他界してしまった著者の力量は日本人として誇るべきものだと感じます。そして、この名前は覚えておいて然るべきであると思います。
このレビューは参考になりましたか?
4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 左党犬 トップ500レビュアー
形式:文庫
 「脳の可塑性」ってなに? 「可塑性」ってどう読むの? 
 こんなことで本書が敬遠されてしまったのでは、あまりにもったいない。

 「可塑性」は「かそせい」と読むのだが、簡単に言ってしまえ「変形しやすさ」ということだ。「記憶と学習」においては、脳神経のシナプスの活動状態などによってシナプスの伝達効率が変化する。いやいや、これじゃまだ難しすぎるな・・・。  
 「脳の可塑性」は、より正確には「脳の神経可塑性」ともいうが、脳科学で記憶について考える際にはきわめて重要な概念なのだ。

 本書は、短いが簡潔にまとめられた「記憶と学習」にかんするわかりやすい解説書である。
 コンピュータの記憶(メモリー)と人間の脳の記憶(メモリー)の違いについて、脳科学の成果をもとに詳述した警告書『ネット・バカ−インターネットがわたしたちの脳にしていること−』(ニコラス・カー、篠儀直子訳、青土社、2010)が話題になっているが、ここでも「脳の神経可塑性」という概念がきわめて重要な意味をもっている。
 本書『脳の可塑性と記憶』は、「脳の可塑性」にかんしては、最初から日本語で書かれた一般向けの本なので、翻訳本よりははるかに読みやすい。最先端を走っていた研究者が、学問的水準を落とすことなく本質的なことを、平易なコトバと豊富な図表で語っている。

 私自身もそうだが、脳科学の専門家ではない一般人が脳科学に関心があるのは、なんとかして記憶力を増強したいという切実な思いからだろう。
 このテーマにかんしては大脳の海馬に焦点をあてた『記憶力を強くする−最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方−』(池谷裕二、講談社ブルーバックス、2001)があるが、専門用語を極力使用しないで一般向けに書かれた本なので、やや物足りないものを感じる読者がいるかもしれない。そういう人はぜひ本書を手にとってもらうのがいいと思う。

 著者は、まことにもって不幸なことに、いまから25年前の御巣高山の日航機事故で亡くなっている。そのため本書も一部は未完成のまま残されているのだが、解説によれば、残念ながら「脳の可塑性と記憶」の分野の解明は、その後もあまり進展していないらしい。だから、内容的には陳腐化していないようだ。

 その意味でも、本書は知的な関心の高い一般人が読める、「記憶と学習」にかんするすぐれた一般書である。敬遠することなくぜひ手にとってほしい一冊である。
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