意見を交換し合うまで、藤原氏は川島氏が提唱する「脳のトレーニング法」に違和感を抱いていたという。機械的すぎると感じたからだ。しかし論議が深まるにつれて、現代の教育が抱える本質的な問題点においては見方が一致していることに気づく。川島氏は藤原氏という相手を得て、「いままで(脳科学者として)語ってこなかった部分」について初めて公言したと述べている。例えば「世の中に充満する大人たちの拝金主義による醜態をマスコミが事細かに報道することによって、子どもたちにまで、価値観の大転換が生じてしまった」などと、自身の主観に基づく憂いを吐露する。藤原氏は「ゆとり教育」と「つめ込み教育」という二元的な議論そのものに疑問を呈し、目指すべきは両立だと主張する。
論議のテーマは英語、理科・社会から、国語・算数へと進んでいく。また、教育への安直なIT(情報技術)導入がもたらす悪影響について、脳科学と人文学双方の視点から批判を加える。
(日経ビジネス 2006/06/26 Copyright2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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