最近はネガティブなタイトルの本が多いようだ。本書もタイトルはネガティブだが、内容は非常にポジティブである。
筆者の名前は知らなかったのだが、脳低温療法を考案・実践した救急救命医療分野で著名な方だ。医療分野以外では北京オリンピックの競泳チームに、脳の働きから勝つための「勝負脳」の講義をし効果を上げたことが有名だそうだ。
本書を読んで、重要なポイントがいくつか分かった。
まず、脳は五感から入力された情報に感情や気持ちのレッテルを貼ってしまうこと。「嫌だ」というレッテルが貼られるとマイナス情報となるが、「好きだ」「楽しい」というプラスのレッテルが貼られると忘れにくくなり脳のパフォーマンスが上がる。「好きこそものの上手なれ」は、まさにこのことだろう。
次に、「大体できた」「終わった」と思ってはいけないこと。これは自己報酬神経群が「ご褒美(報酬)が得られるかもしれない」という期待に対して働くため、「できた」「終わった」と思った途端に考えることをやめてしまうからだ。常に向上心を持って取り組む必要があるということだろう。
また、繰り返し考えることが、独創的なアイデアにつながること。考えっぱなしにせず、整理して検証・修正を加え、考えの隙間を埋めていくようなアプローチが重要だ。考えの隙間を埋めるということは「まだやることがある」ということなのだ。