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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
現在の日本人がまさに必要とすべき情報と知識が盛られている,
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レビュー対象商品: 脱原発の経済学 (単行本)
明治学院大学国際学部で教鞭を執る熊本一規教授が著した本書は、脱原発が必要かつ可能であることを、論理的にかつ平易に解説してくれる。本自体は決して分厚くないが、多角的な視点から原発が必要でないことを論じている。まず、1点目は原発をめぐるマクロ的な環境、特に制度面の特徴を解説している。電力自由化、発送電分離がなぜ原発事故が起きるまでうまくできなかったのか、その要因を分析すると同時に、発送電分離が可能であり、妥当であることを論じる。2点目は「原発の電気が一番安い」という国や電力会社の主張の誤謬を明らかにする。その嘘のからくりは、「設備利用率」という数字の隠蔽と「算定方式」にあることを証明する著者の論理性は説得力に溢れている。3点目は、原発が決して地域を豊かにせず、むしろ地域を疲弊し、崩壊させることを事例から検証する。4点目は、原発に代わる優れたエネルギーが多く、脱原発が可能であることが論じられている。ここで興味深いのは、再生可能エネルギーのポテンシャルを厳しく評価している著者の視点である。極めて、現実的な現状の技術で可能でありフィージビリティの高い脱原発施策の提案がなされており、これまで市民運動で鍛えられた著者のつっこまれない論理展開がここでは披露されている。すなわち、感情論ではなく、論理で脱原発の効用を説いているということだ。そして、付属としてエネルギー源として「水車」の可能性を論じている論稿も収録されているが、これもなかなか興味深い。1点目は会計に関する話が多く、また2点目も数字が出てくるので、一般読者には取っつきにくい点もあるかもしれないが、3点目と4点目は非常に示唆に溢れ、かつ一般読者も読みやすい内容になっている。脱原発を検討したい現在の日本人必読の本といえよう。
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5つ星のうち 5.0
脱原発にむけ冷徹な経済論、技術論が展開されている秀逸な一冊,
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レビュー対象商品: 脱原発の経済学 (単行本)
感情論でなく、データをもって経済的にも原発は選択すべきでないと、示してくれています。 バックエンド費用を考慮すれば、途上国においても 原発の経済性はないだろうと思います。 原発は暫く地球温暖化防止の切り札のように言われていました。 また、地球温暖化防止に関するある報告会では、省エネ家電への買替効果が 数年間喧伝された後、三重窓の如き徹底した断熱建物が、より本質的であると軌道修正されました。それぞれ業界の思惑からは独立した、純技術的な検討の結果と思いますが、工学的(経済学も含め)知見を著す者は、後世代の負担も含め、どの範囲(境界条件)までを検討対象にすべきか、重要な出発点であると知らされました。 発送電分離、バックエンド費用の算入、天然ガス(日本近海のメタンハイドレートも含め)の活用など、この本の多くの点に、賛成です。 菅直人前首相の脱原発宣言は袋叩きに逢いましたが、 彼以外の誰も言えなかった素直な言葉と思います。 経済競争原理に倫理観など吹き消されそうな時勢ですが、 デンマークと水車の話は、志あるところ道が開ける 思いがしました。
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5つ星のうち 5.0
時宜を得た好著が出版されました,
レビュー対象商品: 脱原発の経済学 (単行本)
春に福島原発事故が起こり、その被害が広範囲に広がるに従い「脱原発」ということが声高に叫ばれるようになった。「脱原発」という本が相次いで出版され、その内の何冊かを手にして見たが、何れも論拠の薄弱な、逆に不安を煽るような本が多かった。 熊本氏の『脱原発の経済学』はそれらとハッキリ一線を画しているように思える。その真骨頂は第2章「『原発料金が一番安い』は本当か」を読むと良い。確かに数式を使って、一見難解なように見えるが、初学者にも分かるよう易しい例えを交えて解説してある。 今まで通り石化燃料を使用しても、必ずしも騒がれているような地球温暖化の原因となる訳ではないので、「原発信仰は止めなさい」とも著者はいう。では、「脱原発」後の社会はどうなるか?第4章では「脱原発社会を如何に創るか」で詳しく述べられている。日本という風土のなかで、多様なエネルギー源への提唱が行われているが、評者が思うのは第3章の「原発は地域社会を破壊する」にその鍵があるように思う。 脱原発社会への道を、科学的であると同時に人間の心情に訥々と訴えている。 ゴミ問題を勉強しているとき熊本一規という研究者を知った。数字がやたらと出てくるので大学といういわば象牙の塔に籠もっている人かと思っていたが、読んで見ると行動的なのである。 読了後エネルギーの将来に対して、多少の安心感を得ることが出来た。それだけでもこの本を買って良かった。是非推薦したい。
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