とてもリーズナブルで内容がとても濃い小冊子です。但し、その中身は普通の俗に言うビジネス経済書のハードカバー書籍の数倍の充実度といって間違いないと思いますよ。金子勝というと私の周りでは、非常に先読みの経済動向に暗い(硬い)イメージのある経済学者ですが、私から言うととても堅実で基本に忠実な方と思っています。何より自分の持論にブレが無い発言の数々は信用がおける方と思います。日本国内の住専問題以降、失われた10年、そしてつい最近まで金融機関の不良債権問題には、「頑なに銀行内の査察、検査、そして経営者の経営責任を問え」との持論は現代のアメリカ合衆国内の金融問題でも全く同じ展開、少々前に行ったオバマ政権のストレステストに関しては、某有名新聞社の論説委員は絶大な評価を与えておりましたが、査察が甘いと一刀両断、逆にオバマが指名したサマーズ、ガイトナーといった重要金融責任者の抜擢に関しても、やはり影で大銀行家の暗躍としたきな臭さを指摘する辺りは、ある意味欧米の金融史から見ると非常に説得力がある。危機感を感じているようで感じていない国内の政治家の大先生達にも本書を満遍なく読んでほしい。但し、グリーンニューディール政策を唱えたオバマ大統領であるが、先の米国内の金融機関の問題の大渦に飲み込まれそうな状況、そそて米国以上に金融麻痺がひどそうな欧州の金融機関の今後を考えると、我国も早く国内経済、内需拡大の政策をもっともっと真剣に考えないといけない。ここ2ヶ月以内には行われるであろう総選挙、神風のような疾風が吹くことを期待したいのであるが、低レベルの政治家さん達の立ち振る舞いに本当に嫌気がさしていますよ。