このバイオディバーシティシリーズもあと一冊を残すのみとなった。このシリーズは地球上の全生物を対象とした包括的かつUp-to-dateな記述を目指す点で類例を見ない試みであり、分岐分類や分子系統分類の急発展の中でひとつの里程標として評価できる。この脊椎動物の巻をみても、幾多の分類群の改変が行われており、自分の頭の中のものと比べ昔日の感がある。コンパクトな割に、巻末には分類表も完備されていてレファレンスとしても使えそうだ。ただ残念なことに、図解がたいへん少ない。この分野では言葉だけで理解するのが無理な概念が多く、こと骨学に関しては絶対的な必要性がある。動物名もあまり馴染みのないものはどんな動物か見せて貰わないとイメージが湧かない。それから各章で筆者が違うため、筆致がばらばらであるのはともかく内容もかなり違い、きっと筆者の頭の中にある読者層もまちまちなのだろうと思われる。せっかくのこの書物、もう少し統一のとれたものにしてほしかった。でも、最終刊の節足動物、期待しています。