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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
死ぬほど短編を書いて早死にした伝説の作家,
By
レビュー対象商品: 脂肪のかたまり (岩波文庫) (文庫)
初めて読んだのは高2のときだった。図書館でタイトルが気になって手に取ったのだが、衝撃を受けた。150年以上も昔の小説なのに、ここに描かれている人々の姿は現在のそれと驚くほどリンクしている。醜い利己心を秘めながら社会的地位を保持する勝ち組。ある意味もっとも残酷な中間的傍観者。理想にしがみついて全てを失った社会不適合者。善良で純粋な、誇りを失わない最下層。それらの関係を保つバランスが横暴なアウトサイダーによって破壊されるとき、エゴの暴力は最も弱い者にふりそそぐ。複雑なようでいて馬鹿みたいにシンプルな、我々が生きる社会そのものだ。 美しい話ではないし、読後感もあまり良いとはいえないが、それはこの作品が持つ圧倒的なリアリティの証左であると言えよう。是非とも出会っていただきたい作品。
13 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
強者の移り変わり。,
By ふじさん (大阪) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 脂肪のかたまり (岩波文庫) (文庫)
普仏戦争にてフランスが敗れ、逃亡途中のブルジョア達の中に、(やんごとなき上流の人々にとっては)場違いな、超ポチャ娼婦が混じっていた。男たちからは好奇、女たちからは侮蔑の視線を浴びる彼女『ブール・ド・シュイフ(おでぶちゃん)』。しかし、馬車の中での強者は、図らずも、たっぷりな弁当を用意していた彼女(さすがポチャ)。食事の無い強行軍にイラついていた人々も、親切で、気のいい彼女のおすそ分けをいただいた瞬間なごみ、ひといきに打ち解ける。ところが、彼女の食糧を必要としない宿に到着し、今度は逆に彼女の存在がお荷物になったときに、やんごとなき人々のとった行動は・・・。敗戦という状況を効果的には生かしてはいるけれども、戦争がどうとかという話ではない。いつでも、人間の集団が腐臭を発し始めたときに起こりえる話だ。
8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
社会の縮図,
By
レビュー対象商品: 脂肪のかたまり (岩波文庫) (文庫)
馬車の中の人間関係がそのまま、社会の縮図となっている。人間のいやらしさ、残酷さを、ちょっと悲しいくらいの視線で表されている。本作によって、人間が持つエゴ、卑怯さが明確に提示されている。本書を読んだあと、我々はどう生きるのかを作品から問われているのかもしれない。
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