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主人公はデブのOLで、それがコンプレックスで性格も気弱でおとなしい。上司にはストレスの捌け口にされ、美人の同僚たちにいじめられても言い返せない。引け目を感じて大手のエステティック・サロンにも行けず、ショップの店員に心の中で笑われているんじゃないかとびくびくしながら服を買う。その描写がコミカルでありながら、非常にリアルで胸に迫るものがある。これをゲラゲラ笑いながら読めるかどうかで読み手の日々の幸福度が判定できそうだ(ぼくは当然笑えないが)。
作者の作品はいつだってそうなのだ。花とみつばち』での地味系男子のキャラ描写もリアルだった。 『エンジェリック・ハウス』でのいじめられっ子の描写もリアルだった。劣等感、閉ざされた環境での人間関係、見えないカースト制。これらは作者の作品には頻出するテーマだ。
彼女が描くのは、こういったものすごく狭い環境での、瑣末で、矮小なテーマ。だけど地球環境や戦争、政治や思想の問題なんかより、その瑣末で矮小なテーマのほうが、人間にとってはなによりリアルで大事なことなのである。
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