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43 人中、40人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
『脂肪と言う名の服を着て』るのは誰?,
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レビュー対象商品: 脂肪と言う名の服を着て 完全版 (コミック)
それはきっと、著者の安野さんです。本当に着てるのかそうでないのかは問題ではなく、 本人がそう思ってしまえばそれは脂肪を着てる人なんです。 作品内ででてくる二方向のアプローチ、 主人公が 「太っててみじめで会社でもどこで嫌な思いして それだけで生きてる値打ちもないような目で見られる毎日」 と独白した思いも、 主人公を毛嫌いし、イジメの対象にする同僚が 「昔からデブが嫌いだった 容赦なくたたきのめしたものだわ。うちひしがれたデブを見ると不思議ね 心が落ち着いて浄化されてますます自分がキレイになる」 と独白する思いも、 どちらも美に対して葛藤する作者のものだと思います。 ヤセてキレイになろう! と鼓舞する作品でもなければ、 デブには価値がない とバッシングする作品でもないです。 やせてりゃいいというものでもなく、太ってりゃ悪いというものでもなく、 それは自分が決めることで、 どうなっていれば、自分は自分を好きになれるだろう? と 己の体を見つめるためのきっかけみたいな作品です。 以下の方には不向きな作品かもしれません。 ・ダイエットの励み目的(前向きにはなれないかと) ・「食」に対してトラウマのある方 ・内容的に漫画として楽しめなさそうな方 読み物として成り立っているのですが、人におすすめするには二の足をふむので、3つ星です。
47 人中、43人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
劣等感という瑣末なテーマ,
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レビュー対象商品: 脂肪と言う名の服を着て 完全版 (コミック)
安野氏の漫画の登場人物ってのは非常にリアルなのだ。漫画的に表現されているにも関わらず、存在感に血が通っている。漫画のなかのキャラクターではなく独立した人間として描かれている。だから読み手もこの作品を「漫画のなかの出来事」として安易に片づけられないだろう。主人公はデブのOLで、それがコンプレックスで性格も気弱でおとなしい。上司にはストレスの捌け口にされ、美人の同僚たちにいじめられても言い返せない。引け目を感じて大手のエステティック・サロンにも行けず、ショップの店員に心の中で笑われているんじゃないかとびくびくしながら服を買う。その描写がコミカルでありながら、非常にリアルで胸に迫るものがある。これをゲラゲラ笑いながら読めるかどうかで読み手の日々の幸福度が判定できそうだ(ぼくは当然笑えないが)。 作者の作品はいつだってそうなのだ。花とみつばち』での地味系男子のキャラ描写もリアルだった。 『エンジェリック・ハウス』でのいじめられっ子の描写もリアルだった。劣等感、閉ざされた環境での人間関係、見えないカースト制。これらは作者の作品には頻出するテーマだ。 彼女が描くのは、こういったものすごく狭い環境での、瑣末で、矮小なテーマ。だけど地球環境や戦争、政治や思想の問題なんかより、その瑣末で矮小なテーマのほうが、人間にとってはなによりリアルで大事なことなのである。
17 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
やせなきゃダメ!,
By みるな (兵庫県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 脂肪と言う名の服を着て 完全版 (コミック)
歪んだ価値観に振り回される人々を、おもろおかしく描くのがウマイこの作家さんですが、その主題がこの作品にはドーンと重いまま出ています。安野モヨコの代表作「ハッピーマニア」のカヨコは「恋人がいないと幸せじゃない」と思い込んで迷走していましたが、この作品の主人公、のこは「やせないと幸せじゃない」、どころか「やせないと人間じゃない」くらいまで追い詰められています。それでいて積極的にダイエットをするわけでもなく、デブゆえにいじめられるストレスを発散させるためにまた食べる悪循環の日々。 のこは本当に「やせさえすれば幸せになれる」のか、彼女にとって幸せってなんだったのか、彼女はそれを自分で考えたことがあるんだろうか…。 主人公が結局何を得るのか、もしくは失ったのか、そのへんにわだかまりを残しつつ終るラストもいい感じです。
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