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胡蝶の夢〈第1巻〉 (新潮文庫)
 
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胡蝶の夢〈第1巻〉 (新潮文庫) [文庫]

司馬 遼太郎
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

黒船来航で沸き立つ幕末。それまでの漢方医学一辺倒から、にわかに蘭学が求められるようになった時代を背景に、江戸幕府という巨大組織の中で浮上していった奥御医師の蘭学者、松本良順。悪魔のような記憶力とひきかえに、生まれついてのはみ出し者として短い一生を閉じるほかなかった彼の弟子、島倉伊之助。変革の時代に、蘭学という鋭いメスで身分社会の掟を覆していった男たち。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

司馬 遼太郎
1923‐1996。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた’60(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を一新する話題作を続々と発表。’66年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞を受賞したのを始め、数々の賞を受賞。’93年には文化勲章を受章。“司馬史観”とよばれる自在で明晰な歴史の見方が絶大な信頼をあつめるなか、’71年開始の『街道をゆく』などの連載半ばにして急逝。享年72(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 483ページ
  • 出版社: 新潮社; 改版 (1983/11)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4101152276
  • ISBN-13: 978-4101152271
  • 発売日: 1983/11
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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By yukkiebeer #1殿堂 トップ50レビュアー
形式:文庫
 大阪に出張するような機会に時間が許す限り出かける場所が私にはあります。それは緒方洪庵の適塾。福沢諭吉も学んだというこの建物の中に、透明なケースに入れられてオランダ語の辞書ズーフ・ハルマが展示されています。この辞書を眺めていると、限られた教材でオランダ語の勉学に力をそそいだ若き蘭学者たちの熱い思いが伝わってくる気がします。趣味と実益を兼ねて外国語の学習を続けている私にとっては、どことなく勇気を与えてくれるような思いもして、とても楽しい時を過ごせる場所なのです。

 そんな話をたまたましたところ会社の同僚が私に勧めてくれたのがこの「胡蝶の夢」です。幕末の蘭学者たちを描いた長編歴史小説です。とりあえず第一巻を読んでみました。

 漢方全盛の時代にあえて蘭学による医療を目指す若き医師・良順、そしてその付き人的存在で外国語習得に異能を見せる伊之助。満足な辞書もなければ、十分な教科書もなく、ましてや録音教材などは皆無の時代に、次代の日本のためにオランダ語を身につけようと奮闘していく若き主人公たちの姿を大変興味深く読みました。

 時代がまだついてきていないほどの最先端を走る彼らにとって世間の風は決して温かく応援はしてくれません。開拓者の宿命でしょう。いつの時代も外国語を身につけようなどという酔狂に走る御仁は奇妙奇天烈な異人扱いなのかもしれません。

 主人公たちに自分の姿が重ならないでもないので、とりあえず第二巻へと進んでみようと思います。

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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 内田裕介 トップ500レビュアー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
昭和51年11月から54年1月(司馬53歳から55歳当時)に朝日新聞に連載された小説である。

司馬の作品には戦争や革命といった政治的な題材が多いが、本作はいっぷう変わっていて、幕末を医療から俯瞰している。

実は西洋医学は、270年続いた士農工商という強固な身分制度を根底から覆す革命的思想であった。なぜなら、西洋医学は、医は身分の貴賎を問わない、という思想をごく当たり前のものとしていたからである。身分を問わず入院できる「病院」というものは幕末まで日本には存在しなかった。だから、大変不思議なことではあるが、病院を創設するということは、そのまま江戸期の社会秩序の破壊行為だったのである。

本作は、徳川慶喜の侍医であった松本良順、その師ポンペ、良順の弟子、島倉伊之助を中心に、幕末の医療が明治維新にどうかかわっていったかを描いている。良順はポンペを通じて西洋医学を学び、医の前に四民は平等であるという思想を得て、当時の被差別階級の解放にも力を尽くした。他に順天堂の創始者、佐藤泰然、東大医学部の祖、伊東玄朴、大阪大学医学部の祖、緒方洪庵など、多士済々、綺羅星の如き登場人物たちに彩られている。

またいつもとは異なり、解説者としての司馬自身はあまり登場せず、より物語色の強い作品になっているため、歴史だけでなくストーリーそのものを楽しむこともできる。ちょうど「翔ぶが如く」の連載を終えた直後に書き始められたが、50代半ばになって作風もさらに重厚さ、思想性を増してきた。歴史性と物語性の調和に優れた小説として是非、お勧めしたい作品である。

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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
医学の歴史 2008/2/3
形式:文庫
幕末の御典医・松本良順と語学の天才伊之助の話です。

坂本竜馬とか新撰組なんかに比べると派手ではないし有名ではないかもしれませんが、
私の中では松本良順はもっと世の中に認められてもいいのではと思います、、、
きっとこの本を読んだ人もそう思うに違いありません!!
大河ドラマとかにして欲しいくらい。(でも地味かな!?)

良順の名があまり有名ではないのは、
やはり負けた幕府側の人間だったからでしょうか??
つくづく私たちが教えられる日本史ってどうなん??と考えてしまいます。

その点彼を取り上げた司馬遼太郎はすごい。
司馬遼太郎独特の歴史背景説明文も満載ですので、医学の歴史も一緒に学べます。
漢方医と蘭方医の対立などなど。

是非、医者という立場から見た幕末をご覧ください。
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