不気味な始まり、同僚の死、手掛かりの無い闇の中、混乱に次ぐ混乱に、全員疲労困憊。上巻前半は、個人的問題をあれこれ抱えた主人公が、事件に振り回され、朝も夜も昼も無しの、ドロドロムード。いや、冴えません。
しかし、上巻後半、犯人の嘲笑的振る舞いに活路を見出したか、やけくそ気味ですが、あの、ヴァランダーが復活です。設定は、少々、粗雑ですが、マンケルらしい、鬼気迫る筆致、毒々しい程リアリティ溢れる心情描写が、場面に引き摺りこんで行きます。上巻最後は、「それはやめてくれー」と頼みたくなるような辛さです。
注)後半は、凄い迫力ですが、前半は、いつもより一層長いヴァランダーの愚痴愚痴ボヤキで、読むのが、相当辛いです。前半を乗り切れば、一気に読めます。