政治モノのノンフィクションは、小泉政権以降のこの10年間、渡辺恒雄さんが率いる読売新聞政治部が他紙を圧倒しています。朝日、毎日両紙の政治部はいまや完全に筆力が落ち、単行本を書くほどの取材力と構成力を失っています。それに比して読売は健闘しているのですが、読後おもったのは、新聞記事の寄せ集めのような本だな、ということです。深いものがない、これによって新たに提示される真相なり秘密の暴露がない。特ダネがないのです。
米国のボブ・ウッドワード氏の一連の著作やチェイニー副大統領を描いたバートン・ゲルマンと比べて、日本のジャーナリズムの底の浅さを痛感しました。本書は落第点ではなく、日本では及第点ですが、世界水準を考えた場合、レベルは低いといえます。