キャラクターを配置して物語を進める4コマ漫画が多い中で、短編形式の4コマ漫画というのは昨今では異色ではないでしょうか。
「雨と猫」のように捨て猫を見守る男子学生を描いた現代劇があると思えば、「桜姫」のようにおとぎ話をモチーフにしたような話もあり、ジャンルは多彩です。が、それらの物語に共通するのは、誰でもふと考えることを思い出させくれる、幸せいっぱいな作品群です。
そして、漫画のタイトルにもなっている複数話で成る「背伸びして情熱」とトリを飾る「赤くない糸」は、先ほどの短編とは少し違い、両方とも恋にまつわる話で、「好き」の一言がこれほどかと言うくらいもどかしく、純粋で、時には残酷であるけれど、2つの作品には作者の繊細な心と優しさが流れているように思いました。
読後感は非常に切ないです。しかし、「読んでいてよかったなあ」と心から言える愛おしい作品です。