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45 人中、42人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
アメリカ人と関わる機会がある人なら一度は読むべき本,
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レビュー対象商品: 肩をすくめるアトラス (単行本)
ロシアからの移民のAyn Randがこの小説を使って布教したかったのは、「合理的な利己主義こそが真の道徳の基準であり、利他主義・博愛主義は極めて非道徳的」だという考え方である。ノーム・チョムスキーが「現代の知識人のなかで最も邪悪なひとり」と呼んだのも納得できる。この本が出版された1950年代は社会主義・共産主義への反感が強い時代だった。ソビエト連邦の脅威にパラノイアを抱くアメリカには利他主義を批判するこの本を受け入れやすい土壌があったのだ。 最近まで共和党は経済的なエリートの党であった。彼らは「貧しい者は、努力をしないからである。努力して裕福になったわれわれが怠け者の面倒を見ることを強要される福祉対策が社会主義だ。それを支持する民主党を勝たせるとアメリカ合衆国は終わりだ」と信じる。裕福な共和党員の子はこれ以外の見解を知らずに育ち、大学では同じような友人を選ぶ。 だが、社会で異なる思想や経済的背景を持つ優れた人物と出会う機会があった者は、自分の体験からRandの倫理観の欠陥を読みとることができるようになる。学生時代に感動したのに20年後に読んで「ひどい」と感じる者がいるのは、体験が思想を変えたからだろう。 チョムスキー的知識人は強い嫌悪感を覚えるであろうし、グリーンスパン的知識人は強い魅力を感じるだろう。 思想の左右は別として、アメリカ人と触れる機会のある人は読む価値があると私は思う。Randの本に対する相手の反応で、どういう人物かを推測できるからである。これは有用なリトマス紙だ。
24 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
誰をも奴隷にしない社会を創造する、現代の「建国」の物語,
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レビュー対象商品: 肩をすくめるアトラス (単行本)
この小説は、1000ページ以上のボリュームでありながらもアメリカではひとつの「古典」として、1957年の出版以来ずっと読みつがれているそうです。全体主義的・福祉偏重主義的風潮のなかで、個人として能力のある人々が社会の犠牲=頭脳労働や精神活動における奴隷となっています。その現代の奴隷が反逆し、新しい社会…誰をも奴隷にしない社会の建設を目指すというのがおまかなストーリーとなっています。 ランドのもうひとつの代表作『水源』は、超人の創造者、ハワード・ロークが物語の中心でしたが、この『肩をすくめるアトラス』では、そのローク級の人物が、それぞれのストーリーを抱えて多重的に、また謎を含んで物語が展開してゆきます。 構成的にも、ロークの友情と愛、創造者としての誇りが全編通して語られ、卑劣な妨害者がいても「青春」の雰囲気が漂う『水源』に比べて、『肩をすくめるアトラス』は、「現代の奴隷」にされた人々の悲しみや徒労感、他人や世間だけでなく兄弟や母、妻といった家族までもが彼らを奴隷にしているけれども人間としての絆を絶てずに苦悩するシーンがある等、かなり雰囲気は違っていました。 『水源』に端を発したランド思想はまさにこの『アトラス』にてひとつの完成を見ています。それは、最終的に現代の奴隷が旧社会と決別し新しい社会を目指すという、極限的な完成です。この極端さも、ランドがアメリカにおいても、しばしば敬遠される一因のようです。 ですが、たとえランドの思想を支持できなかったとしても、この小説の思想と言葉は読む人の心に残るでしょう。 そういう力を持った小説だと思います。
46 人中、33人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 1.0
一部の優越者と資本家の代弁者,
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レビュー対象商品: 肩をすくめるアトラス (単行本)
各種レビューにあるが,自らの優越性と資本家の代弁者として堕してしまっている。第3部は,全く読む気がしない。 資本主義の社会主義化が問題というが,世界銀行やIMFはどうか。WTOはどうなのか。 価値の一元化は,問題とされないのか。全く矛盾している。 これを,金科玉条の如く賛美する感性を疑う。 世界は益々一極化しているのに,こんなものを読んでも世界観は全くわからないし, 現在の状況との乖離がひどくなるばかりだ。
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