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肖像写真―時代のまなざし (岩波新書)
 
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肖像写真―時代のまなざし (岩波新書) [新書]

多木 浩二
5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

肖像写真を撮るまなざしの変遷から歴史が見えてくる。ブルジョワ知識人を撮った一九世紀のナダール。さまざまな職業の人間を撮って二〇世紀の全体像を描こうとしたザンダー。被写体にパフォーマンスさせた現代写真家アヴェドン。彼らの肖像写真からは、記述された歴史ではうかがい知ることがなかった人間の変容が浮かび上がる。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

多木 浩二
1928年神戸に生まれる。東京大学文学部美学美術史学科卒業。現在、評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 190ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2007/7/20)
  • ISBN-10: 4004310865
  • ISBN-13: 978-4004310860
  • 発売日: 2007/7/20
  • 商品の寸法: 17 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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買いです。 2007/8/7
形式:新書
本書は、19世紀後半から現在までを50年刻みの三期で捉え、それをナダール、ザンダー、リチャード・アヴェドンという三人の写真家の作品の「差異」を通じて、「記述された歴史とは違う歴史」を浮かび上がらせようと試みた一冊です。したがって、作者はそれぞれの作品の細部に目を凝らすことによって、その向こうの撮影者の視線を読み取ろう、読み解こうと試みます。いわく、各章の表題にある「ブルジョワの理想」であり、「二十世紀の全体像」です。しかし、つまるところ、「写真は言葉にはならない視覚的な直感を与え」、「提示するだけである。判断はしないのである。」(P124〜125)とする作者は、読者である我々にそれぞれの作品が喚起するイメージ、呼び起こす感興に身を任せ、享受することをのみ促しているようにも思えました。こういった分野にはまったくの門外漢の僕が支障を感じさせられる専門用語など使われることなく、あとがきにもあるように素人を対象にした講演会でも聞いているような気安さがあって、含蓄に比してとても読みやすい作品だと思います。
 
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7 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
多木浩二の著作は、それが大著であれ、こうした新書であれ、リーダブルで軽みがあるが、その淡々とした記述のなかにハッとさせられるようなことが書いてある。しかも後から気付かせられる場合が多く、記憶に残る文章といえよう。
専門の写真論のなかでも肖像写真に絞った本書は、まさに記述された歴史によっては描けない、また伝えられない歴史を掬い取ろうとする試みであるが、彼自身の記述のスタンスは、限りなく写真に近づこうとしているのかもしれない。
ナダール、ザンダー、アヴェドンといった写真家の肖像写真を扱いながら、静かに紡がれる
「まなざし」への考察は、確かに記述されない歴史を浮かび上がらせている。
それにしてもアウグスト・ザンダーの写真は魅力的だ。もっと大きな版型で見たくなる。
ザンダーを扱った写真論としては、ベンヤミンの『写真論』も面白いが、リチャード・パワーズの傑作小説『舞踏会へ向う三人の農夫』が頗るつきの面白さだ。
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3 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By alfonzo
形式:新書
我々は日常的に人の顔を見て暮らしており、肖像写真はそれを切り取って固定化したものである。実生活においては、よほどのことがなければ、1人の人の顔を長時間見つめることはしない。肖像写真においてはそれが可能である。肖像写真は、人間という一番移ろいやすいものを題材とするがゆえに、撮影者も、モデルも、鑑賞者も、時代の影響から逃れることができない。本書は、3人の代表的な肖像写真家を取り上げ、それぞれの視線の背景を平易に解き明かしている。写真の歴史に興味がある方はぜひ。
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