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肉食の思想―ヨーロッパ精神の再発見 (中公新書 (92))
 
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肉食の思想―ヨーロッパ精神の再発見 (中公新書 (92)) [新書]

鯖田 豊之
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

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登録情報

  • 新書: 176ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (1966/01)
  • ISBN-10: 4121000927
  • ISBN-13: 978-4121000927
  • 発売日: 1966/01
  • 商品の寸法: 17.2 x 11 x 0.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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41 人中、38人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
若いうちに一度は読んで欲しい、日本人の必読本である。

「肉食の思想」とは優れたタイトルで、これ以上の題名は思いつかない。この場合の「肉食」する人々というのは、おもにヨーロッパ人をはじめとする西洋人、白人を指している。

著者は、島国日本で暮らす人の多くが知らない驚くべき「肉食文化」を教える。

「肉食」とは、「主食のおかずとして、肉が多く出される」ということではない、という驚愕の事実。「主食が肉であって、パンなどは副菜」であるという事実。

さらに、「肉食」を営むうえで付随してくる「解体」や「頭から尻尾まで余さず食す」の問題が文化の中でどのように位置づけられているかを語る。ここで、「宗教」と「肉食」は切っても切り離せないものである、という理解が得られる。なにしろ神は、「地上のものは全部おまえたちのものだから自由に食べてよい」と許可を与えてくれたのだから。

また、「肉食」には「風土」が不可欠である、という理解も深まる。

気温が低くて湿度も低いところでないと、家畜の食料たる牧草が不足するから、「肉食」でやっていくのは無理である、という理解もできる。ペリーが放牧しようとした、などというのも「放っておけばその辺の草で育つ」という常識があったからで、「太平洋側の関東日本では絶対無理」だった、ということも納得がゆく。

このような「肉食文化」を学ばずして洋物の映画や書物に親しむのは、著しく理解を損ねていることになる。だから、若いうちに読んで欲しいのだ。

また、「植生が豊かすぎるために、拓かれていないところは人を拒み足を踏み入れることが困難」な日本の森林と、「下草が短いので進入が容易」である肉食圏の森林との差を考えると、日本の文化が「自然を畏れる」方向へいったことも容易に想像がつくし、逆の場合は「自然は征服加工が可能なもの」となっていく「肉食圏」の思想も理解できるのである。

若者よ、これを知らずして、海外へ出るなかれ。
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8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By jiateng4 トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
Amazonが確認した購入
本書は、日本人と欧米人の思考の違いを、食べ物、特に肉食について述べたものです。
すでに40年以上前に上梓された本ですが、現代に於いてもこの構図は全く変わっておらず、大変新鮮な内容です。
著者の論は、「肉食と草食の歴史的背景と地理的環境」から、「キリスト教をベースとした基本概念との違い」、「ヨーロッパの階級意識」と次第に、民族としての思想の違いに焦点が合わさっていきます。
このあたりの論理の構築が大変鋭く、読みながら何度もうなずいてしまいました。
是非英訳(仏訳?)して欧米人にも読んでもらいたいと思いました。
このレビューは参考になりましたか?
19 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ib_pata VINE™ メンバー
Amazonが確認した購入
 肉食中心でしか生きられなかったヨーロッパのキリスト教徒は、同じ牧畜民族であったヘブライ人たちの聖書を共有することで「人間は神の似姿であり、動物は人間が食べられるように神が創ったのだから、自由に殺して喰ってもかまわない」という発想が出てくるのであり、狂ったようなサカリの時の動物のセックスをいつも目の当たりにしていただけに、結婚に関しては教会の厳しいコントロール下において離婚禁止などによって動物との乖離を意識的に設定したのではないか、という議論は今も新鮮。

 輪廻転生思想のお膝元、インドはどうかというと、牧畜適地ではなく、むしろ穀物栽培適地であるにもかかわらず、灌漑施設が十分でないので、穀物に頼り切っている食生活のスタイルの割には、生産高が足りず、民衆の食生活がミジメなままになっているのではないか、とする。しかも、島国日本のように魚介類の入手が困難な地域が多いため、畜産物に頼らざるを得ない。しかも、草は温潤な気候のため徒長してしまうことから、「家畜を飼うには、結局、人間が栽培した作物を与えるよりほかになかった。こういうところでは、人間と動物りの一体感を強調する輪廻思想も生まれやすい」とまとめる。日本の先祖崇拝の根底にあるのは、地力を落とさないためには毎年連作する必要があった水田に食物生産の根拠があったために「むかしから耕作を欠かさずにきた『ご先祖さま』の努力」に対する評価が高いことにあるのではないか、という議論も面白かった(p.127)。

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