体外離脱体験者の著作は国内でも相当数出版されていますが、本著者ウィリアム・ブルーマンのように息の長い体外離脱探究を行っている著者は本当に少ないので以前からブルーマンの著作を読んでみたいと思っていたところ邦訳出版されたこと大変うれしく思います。
体外離脱に興味を持つ切っ掛けは人それぞれだと思いますが、ブルーマンも最初は「物理・物質的な現実だけが全てであってそれ以外は無い」という唯物主義的なパラダイム(認識・価値観)を強く持っていたと本書で語っています。そのパラダイムが覆されたのが1972年に偶発的に起こった体外離脱での体験だったそうです。その体験をしてから霊的内面探究の道に入り今も自己流で歩み続けているといった方のようです。
体外離脱体験者の多くが、自分が体験した出来事を絶対化してしまう人達が多いなかブルーマンはと言うと、とても冷静に分析し理路整然としていて論理的な印象を受けます。変に肩に力も入っていないので自分の体験を淡々と語るその姿は「体外離脱研究者」と言えるかもしれません。
本書の内容は「ブルーマンの自己紹介にはじまり、体外離脱体験の日記の公開、その日記についての考察、著名な科学者・哲学者たちの言説・論理を引用しての霊的な次元の考察、体外離脱に関するアドバイスとテクニック、等々…」といった形で纏められています。「体外離脱って怪しすぎる!」と感じるような全くの初心者に一番お勧めできる内容だと感じました。
体外離脱を理解しているブルーマンにとっては“霊”も“超常現象”も当たり前の現実なので、そのことにはサラッと触れる形で説明している辺りも良く、また体外離脱を現実逃避の道具としてしまう人達がいることを認識し適切なアドバイスをし、物理的な現実に体外離脱体験を活かすための方法も語っている点も好感が持てました。