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11 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
若くなければ書けない傑作,
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レビュー対象商品: 肉体の悪魔 (光文社古典新訳文庫) (文庫)
20歳で早逝したラディゲが、16〜18歳の頃に書いた自伝的作品。本書の主人公と同様にラディゲ自身も年上の人妻と関係があり、 ほぼ実話かと思いながら読んだのだが、実際にはこの主人公ほど 人妻との恋愛に溺れてはいなかった様である。 本来恋愛とはエゴイスティックなものだと思うのだが、 この主人公は若さゆえかエゴ剥き出しのまま、ひたすら恋愛に没頭していく。 その一方で、そんな自分を冷静に批判する視点も持ち合わせている。 あの若さで本書を書いた才能には驚嘆するが、若くなければ書けない傑作だとも思う。
15 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
透徹したニヒリズムと純粋さ。,
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レビュー対象商品: 肉体の悪魔 (光文社古典新訳文庫) (文庫)
訳文は、平易で格調高く、作品自体には経年の劣化を感じさせるところはいささかもない。解説にも描かれているように、作品は若者と人妻のひと時の恋愛を描いたに過ぎないものである。しかし、一人称で透徹したニヒリズムをもって社会、人妻との関係を眺める主人公の視点に、逆説的に作者の若さとゆえの虚勢と純粋さとが感じられ、読後すがすがしささえ感じられる。また、戦争が始まり人々の暮らしに様々な影を与えている、その不安な時代を背景にし、ガラスが割れれば、猫はその隙に付け入ってチーズをいただくだろう、たとえ、自分の飼い主がガラスを割り、指を切って苦しんでいたとしてもというイントロから始まる本作品は、間接的に戦争の悲劇とやるせなさを歌い上げており、深い心理小説にもなっている。最後の一節、またところどころに挿入される警句は、夭折した作家の社会に対する深い洞察を感じさせられる。
12 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
20歳。夭折した作家のデビュー作,
By 福代 (宇部市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 肉体の悪魔 (光文社古典新訳文庫) (文庫)
「僕はさまざまな非難を受けることになるだろう。でも、どうすればいい?戦争の始まる何か月か前に十二歳だったことが、僕の落ち度だとでもいうのだろうか?」この冒頭の部分を読むだけでラディゲがただ者ではないことがわかる。舞台は第1次世界大戦中のパリ近郊。15歳の少年が、婚約者のいる19歳の女性、マルトに出会い、恋に落ち、妊娠させ、その人生をむちゃくちゃにするという話である。あらすじはスキャンダラスだが、珍しいものではない。重要なのは、ときおりユーモアすら交えられた、主人公の冷めた独白である。恋愛に溺れ、また周囲からの非難や冷たい視線にさらされながら、主人公の思考、観察眼は冴えに冴え渡る。 『肉体の悪魔』は今でこそ古典扱いだが、1923年当時は20歳の新星(しかもこの歳で命を落とす)が書いた恋愛心理小説だったのである。若いのにこんなに老成しているなんて!と驚きながら、まるで恋愛や人生のベテランのようなラディゲの文章を味わうと良い。
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