まずおどろかされるのはその厚さ。ゆうに5cmはあります。このボリュームをフルに活用して紹介されるのは日本の60年代の「反芸術パフォーマンス」の様相。これらは殆ど形の残らない表現形態なので、美術史やサブカルチャー史の片隅に、都市伝説めいたスキャンダラスなエピソードのみが、わずかに語り継がれるだけのミステリアスなものでした。こうしてまとまった研究書が上梓されるのは本書が初めてではないでしょうか。貴重な写真も満載で、巻末には130ページ以上にわたる詳細な年表も付され、資料性もきわめて高い一冊です。
ドグラマグラの外道祭文のごとき「反芸術パフォーマンス」「ハプニング」を、真っ黒に澱んだ時代の井戸の底から丹念に汲み上げた本書は、美術に興味のある方はもちろん、寺山修司、唐十郎、澁澤龍彦、オノヨーコ、ジャックス(早川義夫)、裸のラリーズなどといった名前にピンとくる方々にもオススメの一冊だと思いますよ。